Trip.com収益マスター講座

【自社化】Trip.com依存から脱却・直予約へ

Trip.comの手数料は基本15%、広告を足せばさらに上。その負担をゼロにできるのが直予約です。Trip.comで出会った中国客を、WeChatなどでつながり直予約に育てる価値は大きい。

シリーズ最終回は、Trip.com運用の“出口”です。中国客ならではの自社化の意義と、進め方を解説します。

〜 目次 〜

  1. なぜ自社化なのか
  2. 自社化の手段
  3. 規約の“線引き”を守る
  4. 直予約を増やす導線
  5. OTAと自社の“両輪”で回す
  6. まとめ

シリーズの締めくくりとして、どの媒体でも最後にたどり着くのが“自社化”です。OTAは新規のゲストと出会わせてくれる強力な装置ですが、出会ったゲストを自分の顧客に変えなければ、ずっと手数料を払い続けることになります。Trip.comは広告を足すほど実効率が上がるぶん、この自社化のインパクトが大きいのです。

なぜ自社化なのか

理由は明快で、直予約には手数料がかからないから。Trip.comは広告を足すほど実質コストが膨らみます。たとえば実質18%なら、1万円の予約で1,800円が手数料。リピーターを直予約に移せば、その分はまるごと利益になります。

FIG.1 — Trip.com集客から直予約へ(収益の流れ)
Trip.com予約(新規)基本15%+広告費。中国客と出会えるリピーター化訪日中国リピーターを“また日本で”に直予約(自社チャネル)手数料0円=まるごと利益

訪日中国リピーターを、次回は手数料ゼロの直予約へ。

訪日中国客にはリピーターが多く、口コミ・SNSで広めてくれるのも追い風。満足した中国客とつながれれば、手数料ゼロの安定収益に加え、新たな中国客の紹介も期待できます。

数字でインパクトを見ましょう。実質手数料18%・客単価1万円のゲストが月20組。その全てをTrip.comから直予約に移せたとすると、削減できる手数料は 1万円 × 20組 × 18% × 12ヶ月 = 年間およそ43万円。広告費を足すほど実効率が上がるTrip.comほど、自社化のリターンは大きくなります。

自社化の手段

受け皿となる自社チャネルを用意します。中国客向けに最適化するのがコツです。

💬
WeChat(微信)

中国客の定番。友だち追加でつながり続ける最有力

🌐
中国語の自社サイト

簡体字の予約ページ。指名検索の受け皿

📕
小紅書(RED)

写真で中国客に施設の魅力を発信しファン化

POINT Trip.comは会員割引やクーポンで中国客を囲い込みます。だから自社化でも、“自社会員ならではの特典”(直予約割引・無料アップグレード・限定プラン)を用意するのが効果的。特にWeChatでつながれば、中国客とは母国のSNS感覚で継続的な関係を築けます。

中国客の自社化には、独特の強みがあります。訪日リピーターは「日本のあの宿が良かった」と小紅書やWeChatで積極的に発信してくれること。中国のSNSは影響力が大きく、満足したゲストの投稿が、新たな中国客を次々と呼ぶ。リピートと紹介・拡散の好循環が回り始めれば、OTA依存から大きく前進できます。

規約の“線引き”を守る

⚠ Trip.com上での連絡先交換・場外誘導は規約違反です。 メッセージで外部URLを送る、予約前に直接予約を持ちかける——これらは避けます。滞在後にリピート利用を案内する、退室時にカードで自社チャネルを“認知”してもらう、という正攻法で進めます。

受け皿は、中国客が最も使い慣れたWeChat(微信)が有力です。中国では生活のほぼすべてがWeChatで完結するため、友だち追加のハードルが低い。滞在後にWeChatでつながり、季節の便りや次回特典を届ければ、母国のSNS感覚で継続的な関係を築けます。難しければ、まずは簡体字の自社予約サイトからでも構いません。

大切なのは、規約を守りながら“次回の入口”を物理的に残すこと。退室時のウェルカムカードやハウスガイドに、屋号・WeChatのQR・簡体字の自社サイトをさりげなく載せておけば、満足した中国客が自分で見つけてくれます。場外への能動的な誘導ではなく、“認知を残す”のが正攻法です。

直予約を増やす導線

新規からリピート直予約までを、1本の流れとして設計します。

01
① 感動体験
清潔さ・中国語対応で“また来たい”を作る(EP05)
02
② 認知を残す
退室時にカード/QRで自社チャネル(WeChat等)を覚えてもらう
03
③ つながる
WeChat追加で次回特典や会員価格を用意
04
④ 直予約
次回は自社チャネルから手数料ゼロで予約してもらう

実務面の備えも忘れずに。直予約では中国決済(Alipay・WeChat Pay)を含む決済手段を用意し、独自のキャンセル規約を簡体字で明文化し、トラブル時はOTAの補償が使えないため施設賠償保険などで備えます。中国客が相手だからこそ、使い慣れた決済とルールの整備を先に済ませておくと安心です。

焦る必要はありません。まずは満足してくれた一組から、丁寧に関係を築く。訪日中国のリピーターは、一度ファンになれば何度も日本に来て、仲間も連れてきてくれる。数組の優良リピーターが付くだけで、利益は着実に改善します。良い体験を積み重ねれば、自社チャネルは自然と育っていきます。

Trip.comという出会いの場を活かし、一組ずつ、手数料ゼロの中国リピーターを増やしていきましょう。

OTAと自社の“両輪”で回す

Trip.comをゼロにするのが目的ではありません。新規の中国客はTrip.comで集め、リピートは自社(WeChat等)で受ける。基本15%+広告を払って新規を獲得しつつ、その優良客を少しずつ手数料ゼロの直予約に育てる——この二段構えが、中国集客の利益を最大化します。

Airbnb編からTrip.com編まで共通する結論は、OTAは出会いの場、自社は関係を続ける場だということ。媒体ごとに役割を決め、出会ったゲストを資産に変える。それが、どの媒体でも変わらないKYAKUDENの考え方です。

Trip.comは、中国の旅行者と出会わせてくれる強力な媒体です。だからこそ、その出会いを使い捨てにせず、WeChatなど中国客が使い慣れたチャネルで“続く関係”に育てる価値が大きい。日本を好きになった中国のリピーターを、一組ずつ資産に変えていきましょう。

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まとめ

論点結論
なぜ実質15〜18%超の手数料をゼロにできるのが直予約
相性訪日中国客はリピーター・紹介が多く直予約向き
手段WeChat・中国語サイト・小紅書
対抗Trip.comの会員割引に“自社会員特典”で対抗
両輪新規はTrip.com、リピートは自社で受ける
Trip.comは、中国の旅行者と出会う場。その出会いを、WeChatなど中国客が使い慣れたチャネルで“続く関係”に育てる。日本を好きになった中国リピーターは、何度も戻り、仲間を連れてくる。これがTrip.com運用の到達点です。

「中国客の自社化」までKYAKUDENがお手伝いします。Trip.com編は以上で完結です。お疲れさまでした。

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