Vacation STAYの価格設計の肝は、「ホスト3%・ゲスト12%」という手数料構造を正しく理解すること。ホストの取り分が大きいぶん、価格競争力を作れます。
EP01で触れた低手数料を、ここで価格に落とし込みます。総額の考え方と、楽天トラベル経由の“価格が読みにくい”特性への対処を解説します。
手数料構造を正しく理解する
Vacation STAYはホスト手数料3%(カード決済込み)。1泊1万円の設定なら、ホストの手取りは9,700円です。一方ゲストには約12%の手数料が乗るため、ゲストの総支払は約11,200円になります。
ホストは97%が手元に残る。ゲストは総額で約12%上乗せ。
POINT ここがAirbnbやBookingと比べた本質的な強みです。ホストの手取り率が97%と高いので、同じ手取りでよければ表示価格(宿泊料)を下げて価格競争力を出せます。「手取りを9,000円残せればいい」なら、宿泊料を約9,280円まで下げられる、という設計が可能です。
数字で確認しましょう。宿泊料を1万円に設定した場合、ホスト手数料3%は300円。手取りは9,700円です。Airbnbの固定型(約15.5%)なら手取りは8,450円でしたから、同じ宿泊料なら手取りで1,250円も差が出る。この差を“価格を下げる原資”に回せるのが、Vacation STAYの強みです。
手取り率97%の活かし方を、もう一歩具体化します。例えば競合が宿泊料1万円で出しているところに、あなたは9,500円で出しても、手取りは約9,215円確保できます。Airbnb固定型で1万円のときの手取り8,450円より多い。価格は競合より安く、手取りは競合より多い——この“いいとこ取り”が、低手数料媒体ならではの戦い方です。
もう一点、Vacation STAYは全額事前決済が基本なので、料金の取りはぐれがありません。価格を攻めても回収リスクが低いのは、戦略の自由度という意味でも地味に効いてきます。
価格設計に正解はなく、データを見ながら調整するものです。入りが悪ければ下げ、すぐ埋まるなら上げる。手取りの下限さえ守れば、あとは需要に合わせて柔軟に動かしていきましょう。
総額で考える
ただし、ゲストが見るのは“総額”です。ホスト手数料が安くても、ゲスト手数料を含めた総支払が競合より高ければ選ばれません。「ホストの手取り」と「ゲストの総額」の両方を見て、競合と比べる視点が必要です。
ゲスト手数料約12%の意味も押さえます。ゲストの総支払は、宿泊料1万円なら約11,200円。Airbnbの分担型(ゲスト約14%)と比べると、ゲストの上乗せはやや軽い。つまり同じ宿泊料でも、ゲストにとってVacation STAYのほうが総額が安くなる場合があり、これは予約の取りやすさにつながります。
価格は固定ではなく、需要に応じて動かすものです。繁忙期は上げ、閑散期は下げる。低手数料で手取りが厚いVacation STAYは、閑散期に思い切った価格を出して稼働を埋める“調整弁”としても使えます。
楽天トラベル経由は価格が読みにくい
⚠ 楽天トラベル経由では、ゲストに表示される価格を宿が厳密に管理できません。 宿が1万円に設定しても、手配手数料が上乗せされて10,700円などで表示され、上乗せ率は宿泊料によって変動します。さらに清掃料は楽天トラベルでは宿泊料に合算表示されます。媒体ごとに“ゲストにいくらで見えるか”が変わる前提で価格を組みます。
楽天トラベル経由の“読みにくさ”には、こう対処します。表示価格を完全には制御できない以上、「手取りがいくら残るか」を基準に据え、表示のブレは許容範囲として織り込む。神経質に1円を合わせるより、手取りの下限を死守する設計のほうが現実的です。どうしても価格を厳密に管理したい在庫は、楽天トラベルへの配信を絞るという判断もあります。
とはいえ、安くしすぎは禁物です。Vacation STAY単体に合わせて極端に下げると、他媒体とのレートパリティが崩れ、Booking.comなどでの露出に響くことがあります。手数料が安いぶんを“全部値下げに回す”のではなく、一部は利益として残す——このバランス感覚が、長期の収益を守ります。
手取りから逆算する
正しい順番は、表示価格から考えるのではなく手取りから逆算することです。
清掃・光熱・管理費を引いて利益が残る最低ライン
手取り÷0.97で必要な宿泊料を逆算
ゲスト手数料込みの総額が競合と整合するか
楽天トラベルの上乗せ・清掃料合算を考慮
清掃料の扱いも価格設計に影響します。楽天トラベルやじゃらんには清掃料の設定枠がなく、清掃費は宿泊料に合算して表示されます。一方Airbnb・Bookingは清掃料を分けて表示できる。同じ施設でも媒体で“料金の見え方”が変わるので、どの媒体でいくらに見えるかを一度シミュレーションしておくと安心です。
おすすめは、運用を始める前に一度「この宿泊料だと、各媒体でゲストにいくらに見えて、自分の手取りはいくらか」を一覧で書き出すことです。Vacation STAY・Airbnb・Booking・楽天トラベルで、総額と手取りがどう変わるかを可視化すれば、価格戦略の解像度が一気に上がります。
注意したいのは、ゲスト手数料はゲストが負担するもので、ホストが直接コントロールできない点です。ホストが設計できるのは“宿泊料”と“そこから引かれる3%”。だから価格戦略は、宿泊料の設定と手取りの確保に集中します。
他媒体との価格整合
Vacation STAYは複数媒体に配信されるため、媒体間で極端な価格差を作らないことも大切です(レートパリティ)。とはいえ手数料構造が媒体ごとに違うので、“ゲストの総額がだいたい揃う”ことを目安に、在庫管理システムで一元的に調整します。
Vacation STAYの価格設計は、低いホスト手数料を“価格競争力”に変えられるかが勝負です。手取りから逆算し、ゲストの総額で競合と比べ、媒体ごとの見え方を織り込む。この3点を押さえれば、3%という武器を最大限に活かせます。
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| 論点 | 結論 |
|---|---|
| 手数料 | ホスト3%+ゲスト12%。手取り率97% |
| 強み | 手取りが厚い=表示価格を下げ競争力を出せる |
| 総額 | ゲストの総支払で競合と比較する |
| 楽天トラベル | ゲスト表示価格が変動・清掃料は合算表示 |
| 設計 | 手取り÷0.97で逆算・媒体差を織り込む |
「手数料3%を活かした価格設計」はKYAKUDENの無料相談と収支シミュレーターで試算できます。次回EP06では、国内ゲスト対応とレビューの積み上げに進みます。
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