Trip.com収益マスター講座

【価格】中国の予約文化を踏まえた料金設計

Trip.comの価格設計は、中国の予約文化を理解することが鍵。クーポン・会員割引への反応、中国決済の有無、そして“口コミ重視”という特性を踏まえて組み立てます。

EP02でページを作ったら、次は値付けです。中国客の予約行動と、手数料を踏まえた設計を解説します。

〜 目次 〜

  1. 中国の予約文化を理解する
  2. クーポン・会員割引の活かし方
  3. 中国決済への対応
  4. 春節・国慶節は強気に
  5. 手取りから逆算する
  6. レートパリティに注意
  7. まとめ

Trip.comの価格設計は、“中国客がどう予約を決めるか”を知ることから始まります。価格・割引・決済・口コミ——これらが複合的に予約を左右するため、単純な値下げ競争では消耗するだけ。中国客の行動原理を踏まえた、戦略的な価格設計が求められます。

中国の予約文化を理解する

中国客の予約行動には特徴があります。クーポンや会員割引に敏感で、“お得感”が予約の後押しになる。一方で、価格の安さだけでなく口コミ評価を非常に重視し、「安くても評価が低い宿」は避ける傾向があります。

FIG.1 — 中国客の予約を後押しする要素(例)
会員割引への反応クーポン文化中国決済の有無予約率に直結口コミ評価価格より信頼最安値かどうか比較される

会員割引・中国決済・口コミ評価が予約を後押し。安さだけでは決まらない。

中国客の予約行動を理解することが、価格設計の出発点です。彼らは“お得感”に強く反応する一方、口コミ評価をシビアに見る。つまり、「安くて、かつ評価が高い」宿が最も選ばれる。価格だけで勝負しても、口コミが伴わなければ予約は伸びません。価格・割引・口コミをセットで設計する視点が必要です。

実質コストの把握も忘れずに。基本手数料15%に、広告やプロモを足せば実効率は上がります。1予約ごとの料率だけでなく、「月間の売上全体に対して、結局いくら手数料・販促費を払ったか」を月次でチェックする。コストの膨張に早く気づき、効果の薄い施策を見直す習慣が、利益を守ります。

クーポン・会員割引の活かし方

Trip.comには会員割引やクーポン、セールが多く、中国客はこれらに敏感です。閑散期対策には有効ですが、これも実質は値引き。「いつ・何のために使うか」を選別し、手取りの下限を割らない範囲で使うのが基本です。

クーポンや会員割引は、Ctripの集客の核です。中国客は割引コードやセールを使って予約することに慣れており、“割引があること自体”が予約の動機になることもある。ただし、割引は実質的な値引きであり、利益を直接削ります。閑散期や稼働の弱い日に絞って使い、繁忙期はむしろ通常価格で勝負する——このメリハリが手取りを守ります。

中国決済への対応

Alipay・WeChat Payといった中国の決済手段に対応していると、中国客は安心して予約できます。決済のハードルが下がるほど予約率が上がるため、“いくらで売るか”だけでなく“どう払えるか”も価格戦略の一部と捉えます。

中国決済への対応は、価格以上に予約率を左右することがあります。どれだけ安くても、慣れない決済方法だと予約をためらう中国客は少なくない。逆にAlipay・WeChat Payが使えれば、多少高くても“いつもの方法で安心して払える”ことが後押しになります。決済対応は、見えない価格競争力だと言えます。

口コミ評価が“価格”を上回ることもある、という点は強調しておきます。中国客は、安いだけで評価の低い宿より、少し高くても評価の高い宿を選ぶ傾向がある。つまり高評価を積めば、無理な値下げをしなくても予約が入る。レビュー(EP05)への投資は、価格競争から抜け出すための最良の手段でもあります。

注意したいのは、Trip.comには過去に“リクエスト予約を即時予約のように見せて販売した”ことでトラブルになった経緯があること。現在は改善されていますが、在庫と予約方式の設定は正確に。「予約できたのに泊まれない」を絶対に起こさない運用が、信頼と口コミを守ります。

春節・国慶節は強気に

訪日中国客が集中する春節(1〜2月)・国慶節(10月初)は、強気の価格でも埋まりやすい稼ぎ時。日本人需要の薄い時期と重なるなら、なおさら価格を上げる好機です。逆に閑散期は、クーポンや会員割引で稼働を埋めます。

春節と国慶節は、価格戦略上の最重要イベントです。この二大連休は訪日中国客が爆発的に増えるため、強気の価格でも埋まりやすい。特に日本人需要が落ちる時期と重なるなら、Trip.comで中国客を取り込むことで、閑散期を高単価で埋められる。年間の収益カレンダーに、この二つを必ず組み込んでおきましょう。

価格は据え置きではなく、需要に応じて動かすものです。春節・国慶節・労働節などの中国の連休は強気に、閑散期はクーポンや会員割引で稼働を埋める。手取りの下限さえ守れば、あとは中国の需要カレンダーに合わせて柔軟に動かしていく——この機動力が、Trip.comでの利益を最大化します。

手取りから逆算する

値付けの順番は、表示価格からではなく手取りから逆算します。

01
手取りの下限を決める
清掃・光熱・管理費を引いて利益が残る最低ライン
02
手数料15%を見込む
成果報酬を逆算に反映する
03
割引は下限の範囲で
クーポン・会員割引で下限を割らない
04
競合と整合
他媒体と総額が大きくズレないように

ダブルブッキングには特に注意が必要です。Trip.comを含む複数のOTAに同じ部屋を出していると、別々のサイトから同時に予約が入るリスクがある。OTAごとに管理画面が違うため、手動チェックには限界があります。チャネルマネージャーで在庫を自動連動させ、ダブルブッキングと、それに伴うキャンセル・低評価を防ぎましょう。

価格の一元管理は、パリティ(媒体間の価格整合)の維持にも効きます。Trip.comだけ極端に安く出すと、他媒体での見え方や信頼に影響することも。手数料構造の違いは織り込みつつ、ゲストの総額が大きくはズレないように揃えるのが基本です。

レートパリティに注意

⚠ Trip.comの割引を他OTAと無秩序に併用すると、価格バランスが崩れます。 各媒体の割引を“全部オン”にすると価格が乱れ、露出にも悪影響。チャネルマネージャーで一元管理し、ゲストの総額が大きくズレないよう揃えます。ダブルブッキング防止のためにも在庫連動は必須です。

Trip.comの価格設計は、中国の予約文化を理解することが鍵です。クーポンへの反応、中国決済の安心感、そして何より口コミ重視という特性。安さだけでなく“信頼”で選ばれる設計が、中国客の心をつかみます。

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まとめ

論点結論
予約文化クーポンに敏感だが口コミ評価も重視
割引下限を割らない範囲で閑散期に活用
決済Alipay・WeChat Pay対応が予約率を上げる
繁忙春節・国慶節は強気の価格で
設計手取りから逆算・一元管理でパリティ維持

「中国客向けの価格設計」はKYAKUDENの無料相談へ。次回EP04では、コミッションと露出施策の費用対効果(手数料最適化)に進みます。

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