自社のブランド認知度を高めたいとき、インフルエンサーマーケティングは非常に有効な手段です。
現代のブランディングや認知の獲得には、ネット上での発信は欠かせないからです。
ネットでの発信によって多くのフォロワーを獲得しているインフルエンサーは、言わば「PRの専門家」とも言えるので、彼らの影響力が借りられるのなら使わない手はありません。
本記事では、インフルエンサーマーケティングでブランド認知度を高めるための戦略について紹介します。
ブランド認知度を高めるためにインフルエンサーマーケティングを採用すべき理由
まず、インフルエンサーマーケティングがブランドの認知度向上に効果的な理由について解説します。
インフルエンサーの影響力を使ってブランドの認知度を高められる
インフルエンサーマーケティングの最大の利点は、インフルエンサーの持つ影響力を利用できることです。
インフルエンサーとして一定以上の人気を持つ人は、特定のジャンルにおいて多くのファンを抱えています。
1つの投稿で多くのユーザーにリーチできるので、効率よくブランドの認知度を高めることが可能です。
インフルエンサーが自身の活動によってフォロワーを増やしていけば、それに比例して自社のブランド認知度も上がっていきます。
自社ブランドと親和性の高いインフルエンサーを探しやすい
現代は、メジャーなジャンルからニッチなジャンルまで幅広くインフルエンサーが存在するため、自社の商品ジャンルと親和性の高いインフルエンサーを探しやすくなっています。
自社と親和性の高いインフルエンサーは、自社の商品ジャンルに強い興味を持つフォロワーを多く抱えています。
そのため、一般的な発信とくらべて効率よくターゲットにリーチすることが可能です。
ユーザーは信頼しているインフルエンサーが発信する情報を素直に受け入れる傾向にあるため、彼らがおすすめする商品に対してもポジティブな印象を持ちやすくなります。
フォロワーとの距離が近く、エンゲージメント率の高いインフルエンサーほど、より信頼されやすい傾向にあります。
このような特性を持つインフルエンサーに依頼できれば、自社のブランド認知度を効率的に高められるでしょう。
ビジネスの規模が小さくても効果が期待できる
インフルエンサーマーケティングは、ビジネスの大小に関係なく効果が期待できます。
ビジネスの規模に合わせてインフルエンサーの種類も選べるからです。
インフルエンサーにはランクがあります。
フォロワー数が多くて依頼する際の費用が高額になるケースもあれば、フォロワー数が少ないため費用は小額で済むケースもあります。
インフルエンサーを選定する際に、依頼料が高すぎない人を選べば予算内で効果的に成果を得ることが可能です。
フォロワーが少ないインフルエンサーはフォロワーの多いインフルエンサーとくらべてエンゲージメント率が高い傾向にあるので、効果も十分期待できます。
インフルエンサーの種類
インフルエンサーは分類する基準によって、いくつかのカテゴリに分かれます。
知名度を基準にして分類すると以下の3つに分かれます。
- セレブリティ型(著名人・有名芸能人などが該当)
- 専門家型(特定のジャンルで専門的知識や貴重な経験を持つ人物)
- マイクロインフルエンサー型(フォロワー数は多くないものの、特定のコミュニティで絶大な影響力を持つ人物)
フォロワーの数で分類すると以下のとおりです。
- マクロ・インフルエンサー(10万~100万人以上のフォロワーを持つ。リーチ数も多くエンゲージメント数も多い)
- マイクロインフルエンサー(フォロワーは1万~10万人程度。エンゲージメント率の高いフォロワーを抱えているのが特徴)
- ナノ・インフルエンサー(フォロワーが1万人未満。フォロワーが少ない分、親しみやすい存在のためエンゲージメント率が高い)
- セレブリティ・インフルエンサー(アーティストやスポーツ選手、タレントなどが該当。特定のプラットフォームに限らず幅広くファンがいる)
小規模ビジネスでのインフルエンサーマーケティングでは、マイクロインフルエンサーかナノ・インフルエンサーへの依頼を検討するのが一般的です。
インフルエンサーマーケティングにおける戦略とは?
インフルエンサーマーケティングの戦略を考えるときは、長期的な視野に立つことが重要です。
そのためには、一時的な関係ではなく、長期的にパートナーシップを結べるインフルエンサーを確保する必要があります。
特定のインフルエンサーと長期的なパートナーになれば、インフルエンサーの自社商材やブランドに対する理解が深まり、愛着も増していきます。
理解が進んで愛着も強くなれば、投稿コンテンツのクオリティも高まっていくでしょう。
自社の商品開発において、ユーザーの側に立った貴重な意見も聞けるかもしれません。
また、フォロワーの中で「インフルエンサーの○○さんが愛用するブランド」というスペシャルな地位を確立できるでしょう。
このようなアプローチは、インフルエンサーマーケティングによる効果をより高め、ブランドの価値を長期的に高めるための重要な戦略となります。
インフルエンサーマーケティングでブランド認知度を高める戦略の立て方
この項目では、インフルエンサーマーケティングでブランドの認知度を高めるための戦略立案について紹介します。
ターゲットを決める
ブランドの認知度を高める目的の場合でも、「どのようなユーザーに認知してもらうか?」を考えることが重要です。
自社ブランドを認知して欲しい理想のターゲット像を明確にすることで、依頼すべきインフルエンサーのランクもわかります。
作成すべきコンテンツの内容やクオリティの度合いもはっきりするでしょう。
ターゲットを設定する際は、以下の項目を決めていきます。
- 年齢
- 性別
- 趣味・嗜好
- 職業
- 居住地域
- オンラインでの行動パターン
上記以外でも、自社で必要と考えられる要素があれば積極的に設定してください。
施策を行うプラットフォームを選ぶ
インフルエンサーマーケティングを行うプラットフォームの選定も重要です。
インフルエンサーマーケティングでは主にSNSを利用しますが、各SNSにはそれぞれ特徴があり、メインとなるユーザーも異なります。
そのため、前項で決めた自社のターゲットが利用しそうなプラットフォームを選ぶことが重要です。
インフルエンサーマーケティングで用いられる主なSNSは以下のとおりです。
- YouTube(幅広い年齢層のユーザーが利用している動画配信プラットフォーム)
- Instagram(写真や動画がメインのSNS。女性ユーザーが多め)
- X(旧Twitter)(140文字までの文章をメインで投稿するSNS。拡散力に優れる)
- TikTok(15秒以内のショート動画を投稿できるSNS。若年層に多く利用されている)
自社ブランドと親和性の高いインフルエンサーを選ぶ
インフルエンサーマーケティングを行うプラットフォームが決まったら、依頼するインフルエンサーを探します。
選定の際は、自社ブランドとの親和性の高さに加え、ブランドを認知させたい範囲や自社のターゲットとの相性なども考慮する必要があります。
たとえば、自社の商品ジャンルがニッチである場合、必ずしもフォロワー数の多いインフルエンサーに依頼する必要はありません。
むしろ、フォロワー数は少なくとも、ユーザーとのエンゲージメント率が高いマイクロインフルエンサーに依頼する方が効果は高くなる可能性があります。
ランクの高いインフルエンサーとくらべて費用もおさえめなので、費用対効果も高くなります。
逆に可能な限り多くの認知を獲得したいなら、予算の許す範囲でもっともランクの高いインフルエンサーに依頼すべきでしょう。
投稿コンテンツを作成する
投稿するコンテンツについては、「インフルエンサーにまかせる」か「協力して作る」かの二択になります。
インフルエンサーマーケティングを成功させるには、インフルエンサーの魅力や発信力を最大限に活かす必要があるため、コンテンツ作成もまかせるケースが多いです。
ライブ配信のようなリアルタイムのものは別にして、依頼する企業側は「自社のコンテンツとして問題ないか?」のチェックだけを行うのがほとんどです。
インフルエンサーは「フォロワーにどのようなコンテンツを届けるのが効果的か」というノウハウを持っています。
そのため、自社によほど強いこだわりでもない限り、コンテンツの作成はインフルエンサーにまかせるのが無難と言えます。
成果の測定と分析
インフルエンサーがコンテンツを投稿したあとは、一定期間経過後にその成果を測定して分析する必要があります。
分析する主な内容は以下のとおりです。
- フォロワー数の増加
- エンゲージメント率と数(いいね!、コメント、シェア)
- Webトラフィックの変化
上記の内容を、具体的な数値で確認してインフルエンサーマーケティングの効果を評価します。
この評価をもとに、次回配信するコンテンツのアイディアを考えたり、戦略の改善点を検討したりします。
インフルエンサーマーケティングによってブランド認知度を高めるには、これら一連の作業を戦略的に行うことが重要です。
インフルエンサーマーケティングを行うときの注意点
この項目では、インフルエンサーマーケティングを行うときの注意点を紹介します。
インフルエンサーマーケティングで注意すべき項目は次の項目です。
- ターゲットが曖昧になっている
- フォロワー数だけでインフルエンサーを選んでしまっている
- 依頼するインフルエンサーのリサーチが足りない
- 指示を出しすぎてインフルエンサーの特徴を潰してしまう
順に詳しく解説していきましょう。
ターゲット設定が曖昧
ターゲット設定が曖昧だと、その後の作業すべてがうまくいかなくなると言っても過言ではありません。
「施策を行うプラットフォームはどれを選べばいいのか?」や「どれくらいのランクのインフルエンサーに依頼すればいいのか?」などがわからなくなるからです。
ターゲットを明確に設定することは、インフルエンサーマーケティングでブランド認知度を高めるための土台だと言えます。
フォロワー数だけでインフルエンサーを選んでいる
フォロワー数はインフルエンサーの実力を計る重要な要素ですが、この数字だけを重視するのは危険です。
フォロワー数が多くてもエンゲージメントが低ければ、満足のいくブランド認知度を獲得できないからです。
インフルエンサーへの依頼を検討するときは、フォロワー数の他に普段の投稿のエンゲージメント数や、過去のPRコンテンツのエンゲージメントをチェックしてください。
インフルエンサーの影響力の強さは、発信に反応するアクティブユーザーの数で決まります。
依頼するインフルエンサーのリサーチが足りていない
一緒に仕事をするインフルエンサーを選ぶときは、数字だけでなく普段の投稿内容やフォロワーの質、コンテンツのスタイルなどもリサーチする必要があります。
たとえば、インフルエンサーの発信内容は自社の商品ジャンルにマッチしていても、抱えるフォロワーの属性がジャンルにマッチしていなければ大きな成果は期待できません。
投稿するコンテンツのスタイルも重要です。
普段の投稿が自社のターゲットを不快にするような内容だった場合、依頼することはむしろマイナスに働きます。
最悪の場合、ネット上で炎上してしまい、自社のブランドや商品のイメージに大きな傷がついてしまいます。
また、「過去の案件で企業とトラブルを起こしていないか?」も調べておきたいところです。
これらを事前に調査しておけば、時間とお金だけを浪費してしまうことを予防できます。
細かい要求や指示を出してインフルエンサーの魅力を潰している
先述のとおり、インフルエンサーマーケティングの成功は、インフルエンサーがいかに魅力を発揮できるかにかかっています。
インフルエンサーが抱えるフォロワーやユーザーはインフルエンサー自身のファンであり、インフルエンサーが投稿するコンテンツだからこそ興味を持つからです。
この魅力を、企業側の細かい要求や指示で潰してしまうと成果は見込めません。
逆に、自社の商品に対して悪意すら持たれる危険性があります。
自社からの要望については、どうしても外せない内容でないなら、威圧的にならないように方向性やイメージだけを伝えてあとはインフルエンサーにまかせてしまうのが効果的です。
インフルエンサーとしても、細かく指示を出してくる相手よりも、自分を信頼してまかせてくれる企業と長く付き合いたいと考えるでしょう。
まとめ
自社のブランド認知度を高めるための手法として、インフルエンサーマーケティングは非常に有用です。
ただ、成功の成否は依頼するインフルエンサーの質に左右されるので、候補の選出と選定は慎重に行う必要があります。
フォロワーに数だけにとらわれることなく、多角的にリサーチすることが大切です。
どうしても良い候補が見つからないときは、インフルエンサーマーケティングを専門に扱う広告代理店に相談するのがおすすめです。