- スタートアップの集客方法を知りたい
- スタートアップのデジタルマーケティング戦略を教えて
- スタートアップのデジタルマーケティング戦略のポイントは?
予算も認知も足りないスタートアップ企業にとって、集客は大きな課題ではないでしょうか。
自信のある商品・サービスが完成しても、世の中に広まらなければ収益につながりません。
本記事では「スタートアップ企業のための集客方法とデジタルマーケティング戦略」について解説します。
費用対効果の高い施策や成功のポイントがわかるので、スタートアップの集客に悩んでいる経営者におすすめの内容です。
スタートアップ初期の段階は認知拡大を狙わず、自社の顧客になりそうな顕在層に絞ってアプローチします。
限られたリソースでは、潜在層向けの施策を打つ余裕がありません。
顕在層を的確に見分けるには、ターゲットを明確にしておくことが重要です。
スタートアップで早く収益を上げたい人は、最後まで読んでみてください。
スタートアップ企業のためのステージ別集客方法
スタートアップ初期は資金繰りが厳しいため、低予算でも効果が出る施策に注力しましょう。
予算に余裕ができるにつれ、中長期的な施策や新しい施策に手を出せるようになります。
スタートアップ後半のフェーズでは、より認知を広めるため潜在層向けのアプローチが中心です。
【事業ステージ別・スタートアップ向け集客方法一覧】
事業ステージ | 目的 | 集客方法 |
シード | 顧客になりそうな顕在層に絞ってアプローチする段階 低予算で打てる施策に注力する |
知人や既存顧客からの紹介・リスティング広告(Google)・プレスリリース・SNS投稿など |
アーリー | 顧客数の増加を目指し少しずつ集客方法を広げていく段階 予算に余裕が出てくるので中長期的な施策も行う |
シードステージで用いた方法・リスティング広告(Google・Microsoft)SNS広告・SEO施策・セミナーやウェビナー・展示会・紙DM・電話営業・フォーム営業など |
ミドル | PMF検証の結果から効果の高かった施策を拡大する段階 今まで打てなかった施策を試す 潜在層向けの施策も行う |
ディスプレイ広告(Google・Yahoo!)・記事広告・YouTube広告・タクシー広告・交通広告(タクシー・電車・駅)・イベント開催 |
レイター | さらなる認知拡大を目指し潜在層向けの施策に力を入れる段階 予算をかけてより高い効果を狙う |
TVCM・書籍出版・屋外広告・ビジネスカンファレンス開催 |
リスティング広告は、配信面によって得られる効果が異なります。
多くの顕在層にアプローチしたいシード期は、圧倒的なシェアを持つGoogle広告が効果的。
収益が出始めるスタートアップ後半は、潜在層に広くアプローチできるディスプレイ広告(コンテンツ連動型広告)に切り替えていきます。
スタートアップ企業のためのデジタルマーケティング戦略
スタートアップにおけるデジタルマーケティング戦略は、費用対効果の高い施策から実行するのが基本です。
具体的には以下の4つを意識します。
- ターゲットのみにアプローチする
- インサイドセールスを活用する
- 非課金型の施策も並行して行う
- PDCAサイクルをスピーディに回す
デジタルマーケティング戦略の基本である「市場選定」や「ターゲット設定」は、完了しているものとします。
商品・サービスが完成した直後のスタートアップ初期の戦略を中心に、詳しく解説します。
ターゲットのみに絞ってアプローチする
スタートアップ初期はリソースが限られているため、売上に直結しそうな顕在層だけにアプローチするのが戦略の基本。
広範囲に認知を取りにいくような施策は不要で、少数でも確実に顧客を獲得することが重要です。
狙った層を確実に捉えるには、ターゲットを明確にしておく必要があります。
ターゲット設定があいまいだと顕在層以外へのアプローチが増え、リソースを消費するからです。
商品・サービス開発時に想定した「ペルソナ(顧客像)」に刺さる訴求を考えましょう。
また、すでに獲得している顧客に対し、適切に「パーソナライズされた情報(新商品やクーポンなど)」を提供するのも有効です。
リピート購入を促すことで、購入頻度や購入単価の向上が期待できます。
「ペルソナ」について詳しく知りたい人は、コチラをどうぞ。
ペルソナ設定は、集客の鍵を握る。それからのカスタマージャーニーの考え方。
「パーソナライズ」について詳しく知りたい人は、コチラをどうぞ。
パーソナライズの力!カスタマイズを超えた顧客体験を提供する
インサイドセールスを活用する
インサイドセールスとは、遠隔で顧客とコミュニケーションを取る営業活動のこと。
時間とコストを抑えられる点がメリットで、資金繰りが厳しいスタートアップ初期には有効なデジタルマーケティング戦略です。
オンラインのインサイドセールスなら、移動費をかけずにコンバージョンまでつなげられるでしょう。
- フォローメール
- メルマガ配信
- DM送信
- ウェビナー
- ホワイトペーパー など
ウェビナー(オンラインセミナー)やセミナーは、BtoBマーケティングでもよく用いられます。
自社の商品・サービスに関する情報を広く提供することで、商談の機会を得るのが狙いです。
セミナー開催には会場費がかかるものの、BtoB取引が成立すれば大きな収益を得られます。
自社の状況に合わせて、使い分けるとよいでしょう。
- リアルセミナー:実際に商品・サービスを手に取って体験してもらえる
- ウェビナー:場所を選ばず参加してもらえる・会場費などのコストが不要
ノンペイド(非課金型)の施策も並行して行う
スタートアップのデジタルマーケティング戦略では、ペイド(課金型)施策とノンペイド(無課金型)施策を組み合わせるのが効果的です。
- ペイド(課金型):予算をかけて短期間で確実に集客する
- ノンペイド(非課金型):予算をかけずに中長期的な集客につなげる
広告の活用など効率よく集客できるペイド型に対し、ノンペイド型の施策は自社の資産として蓄えられる点がメリットです。
【ノンペイド(非課金型)戦略の概要】
顧客フェーズ | マーケティング戦略 | 得られる効果 | 具体的な施策例 |
興味関心 | SNSマーケティング | ブランド認知 | 各SNSアカウント運用・キャンペーンなど |
比較検討 | コンテンツマーケティング | 顧客の信頼度アップ | 動画・WEB記事・ウェビナー・ホワイトペーパー・eBOOKなど |
リピート | メールマーケティング | 顧客とのコミュニケーション | メルマガ・ステップメール・ターゲティングメール・休眠発掘メールなど |
ノンペイド型の施策は即効性がないため、スタートアップ初期はなかなか収益につながりません。
SEO施策を実行する際は、コンバージョンに近い顕在層向けKWに絞って攻めましょう。
戦略的には、ペイド型で効率よく集客しながら自社メディアやSNSアカウントを育て、徐々にノンペイド型に移行していくのが得策です。
それぞれのマーケティングの詳細を知りたい人は、コチラをどうぞ。
SNSマーケティングとは?5つの手法と実施する5つのステップ
コンテンツマーケティングとは?【成果が出る5ステップ】
Eメールマーケティングの秘密:開封率を飛躍的に高めるテクニック
PDCAサイクルをスピーディに回す
スタートアップは不確定要素が多く、検証と改善をくり返すことで少しずつノウハウが溜まっていきます。
施策ごとに具体的な中間目標(KPI)を設定し、達成度合いはすべて数値で判定しましょう。
スピーディにPDCAを回すには、施策実行の進捗状況をこまめに観察することが重要です。
スタートアップ初期は計画の遅延や調整が発生しやすいため、定期的に進捗をチェックし素早く対応する必要があります。
例外はノンペイド型のデジタルマーケティング(とくにSEO)。
中長期的に育てていく施策のため、一定期間続けないと正確なデータが取れません。
スタートアップにおけるデジタルマーケティング戦略のポイント
予算と知名度で劣るスタートアップが早期に収益を上げるには、最低でも以下のポイントを押さえておく必要があります。
- 競合他社にはない自社の強みを把握する
- 施策実施の期間と予算目安を決める
- 運用型広告を活用する
スタートアップはスピードが命です。
収益が少ない状態で何年も会社を維持することは難しく、資金調達ができているうちに事業を軌道に乗せる必要があります。
どれだけ短期間で自社商材をブラッシュアップできるかが、スタートアップにおけるデジタルマーケティング戦略成功の鍵といえるでしょう。
競合他社にはない自社の強みを把握する
スタートアップが競合他社と同じ強みをアピールしても、大手や先に販売している企業には勝てないでしょう。
自社商品にしかない強みを把握し、訴求に反映させることが戦略成功のポイントです。
競合他社の強みを分析することで、他社が満たせていないニーズや自社の強み・独自性を発見できます。
食品で例えるなら「競合が材料を強みにしているならば、こちらは使いやすさをアピールする」といった手法です。
【訴求の例】
- 競合:「何種類ものスパイスをブレンドした~」「独自の製法で抽出した~」
- 自社:「ワンタッチですぐに使える~」「使い切りタイプで保存の手間なし」
強みを把握できたら、素早く発表することも重要です。
後発であっても先に訴求力の高い強みを周知させることができれば、スタートアップでも十分に勝機があります。
施策実行の期間と予算の目安を決めておく
リソースが限られているスタートアップ初期は、施策ごとに実行期間を決めるのがポイント。
効果の出ない施策を早めに見切り、効果の高い施策を拡大したり新たな施策を打ったりする必要があるからです。
とくに、広告のような課金型の施策は、効果が出ない場合はすぐに改善しないと貴重な予算を無駄に消費します。
デジタルマーケティング戦略にかける予算設定も、スタートアップ初期の課題です。
施策の優先順位や効果によって適切に分配し、定期的に見直すことで少ない予算を有効活用しましょう。
運用型広告を活用する
運用型広告は、低予算で高い効果を期待できる施策です。
TV広告などと違い少額で配信できるため、資金繰りが厳しいスタートアップ初期に向いています。
詳細なターゲティングが可能な点も、スタートアップには大きなメリットです。
【スタートアップにおすすめの広告】
- リスティング広告:即効性が高い・購入意欲の高い顧客に届く
- ディスプレイ広告:繰り返しアプローチ可能(リターゲティング配信)
- SNS広告:潜在層と顕在層の両方にアプローチ可能
単体で行うのではなく、組み合わせることでより高い効果が期待できます。
「スタートアップで広告運用に関するリソースやノウハウがない」という場合は、広告代理店に運用を依頼するのも有効です。
種類別におすすめのWEB広告代理店を知りたい人は、コチラをどうぞ。
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デジタルマーケティングの外注もスタートアップの戦略の1つ
スタートアップにおけるデジタルマーケティング戦略の1つに、マーケティング支援会社へ依頼する方法があります。
まとまった費用が必要なものの、得られるメリットは魅力的です。
- 豊富な知識と経験を利用できる
- 自社のリソースを節約できる
- 自社にノウハウがたまる
外注することでデジタルマーケティングに必要な人材の採用や育成と、実際のマーケティング戦略を同時に進められます。
外注する際はすべてを丸投げしないことが重要です。
戦略の意思決定や自社商品の訴求など、外せない部分は積極的にリードしましょう。
デジタルマーケティング戦略を外注する際の選び方
- 実績が豊富
- 自社のニーズにマッチしている
- 中小規模の支援会社
大規模な支援会社の場合、取引先は大手企業が名を連ねている場合がほとんどです。
予算が厳しいスタートアップ企業に対する支援は、優先順位が低くなる可能性があります。
スタートアップ企業におけるデジタルマーケティング戦略では、外部の力も借りつつ少しでも早く収益を上げることが成功のポイントです。
スタートアップにおけるデジタルマーケティング戦略で収益を上げる!
スタートアップ初期のデジタルマーケティング戦略で重要なのは以下の2つ。
- 自社の商品・サービスを利用してくれそうな顧客に絞る
- 費用対効果の高い施策からとりかかる
限られた予算・人員・時間のなかで収益を上げるには、認知拡大よりも顧客獲得に注力したほうが効果的です。