Google広告の運用において、自社で保有する顧客データを活用して広告配信したい際に利用して欲しいのが、Google広告のカスタマーマッチ機能です。
Google広告のカスタマーマッチ機能を活用することで、顧客データをもとにして広告配信が可能になります。
本記事ではGoogle広告のカスタマーマッチ機能について、特徴や配信設定などを詳しく解説していきます。Google広告のカスタマーマッチ機能を活用したい方は、ぜひ最後までご覧になってください。
Google広告のカスタマーマッチとは
Google広告のカスタマーマッチとは、メールアドレス・電話番号・住所など自社で保有する顧客データを使用して配信先をターゲティングできる広告配信機能になります。Google広告の管理画面上で顧客データをアップロードして、手軽に配信先を絞り込むことが可能です。
カスタマーマッチでは、まずデータをもとにしてユーザーリスト(顧客リスト)の作成を行います。作成したユーザーリストを広告キャンペーン・広告グループに紐づけることで、類似ユーザーや既存顧客への広告配信を促進できます。
Google広告のカスタマーマッチを利用できる配信面
Google広告のカスタマーマッチ機能は、下記の配信面で利用することが可能です。
・Googleリスティング広告
・Googleディスプレイネットワーク(GDN)
・YouTube広告
・Gmail広告
・Googleショッピング広告
Googleディスプレイネットワーク(GDN)では、もともとカスタマーマッチ機能は搭載されていませんでしたが、2019年10月より利用が可能になっています。
主要なGoogle広告の配信面において、カスタマーマッチ機能が利用できると考えて良いでしょう。
Google広告のカスタマーマッチの設定方法
それでは実際にGoogle広告のカスタマーマッチの設定方法について確認していきましょう。
Google広告のカスタマーマッチの設定は、Google広告の管理画面より行えます。
まずはGoogle広告の管理画面の「ツールと設定」から「オーディエンスマネージャー」をクリックしてください。
表示された画面の中から「+顧客リスト」をクリックします。
次にオーディエンス名を入力してください。
すると「アップロードするデータ」と記載された設定画面が表示されます。
最上部の「アップロードする顧客データの種類を選択します」の部分では、「メールアドレス、電話番号、住所をアップロード」を選択してください。
真ん中部分のファイル選択の設定では「ハッシュ化されたデータをアップロードする」を選択します。その後、「ファイルを選択」をクリックしてアップロードするCSVデータを選択しましょう。
下部に表示された「Googleのカスタマーマッチに関するポリシー」のリンクをクリックして内容を確認した後、チェックボックスをクリックしてください。
次に有効期限の設定を行います。有効期限は「期限切れなし」、もしくは期限を「1日~540日」の間で設定します。
最後に「リストをアップロードして作成」をクリックしてください。
これでGoogle広告のカスタマーマッチの設定完了となります。
Google広告のカスタマーマッチを活用する際の注意ポイント
Google広告のカスタマーマッチ機能を活用する際は、下記の点に注意を払ってください。
・利用にはデータ件数が「最低1,000件以上」必要
・カスタマーマッチの利用条件を満たす必要がある
・顧客リストは定期的に更新する
・個人情報は慎重に取り扱う
利用にはデータ件数が「最低1,000件以上」必要
Googleカスタマーマッチを利用する際に注意して欲しいのが、データ件数が最低1,000件以上ないとカスタマーマッチ機能を利用できない点です。メールアドレス・電話番号・住所などの顧客データを1,000件以上蓄積するのは、一朝一夕には難しいです。
過去数か月~数年に渡って顧客データを収集しておく必要があります。また商品・サービスに合わせてターゲット層を絞っていく場合、保有している顧客データをすべて利用できるとは限りません。全体の保有データ数は多くても、実際に利用できるデータ数が不足してしまうケースもあります。
Googleカスタマーマッチを利用してGoogle広告を配信する場合は、事前に顧客データを多く収集して準備しておきましょう。
カスタマーマッチの利用条件を満たす必要がある
Google広告のカスタマーマッチを利用するためには、規定された利用条件を満たす必要があります。カスタマーマッチの利用条件は下記の通りです。
・これまでポリシーを遵守してきた実績があること
・これまでお支払いに関して問題が発生していないこと
・90日以上にわたって、Google広告の利用実績がある
・利用金額が全期間にわたって5万米ドルを超えている
上記の条件を満たした後、Google広告のアカウント担当に申請を行って、許可が出ればカスタマーマッチ機能が利用可能になります。
Google広告のアカウントを開設してから、いきなりカスタマーマッチ機能を利用することはできないので注意してください。まずはGoogle広告の運用実績を積んでいくことが、カスタマーマッチの利用で必須になります。
顧客リストは定期的に更新する
カスタマーマッチで利用する顧客リストは、定期的に更新するようにしましょう。同じ顧客リストを数か月以上利用していると、リストを利用している間にコンバージョンを獲得できたユーザーにも継続して広告を配信することになります。
すでにコンバージョンを獲得できたユーザーに広告を配信しても、新たにコンバージョン獲得できる可能性は低いです。また同じ広告が続けて配信されることで、ユーザーが嫌悪感を抱いてしまうリスクもあります。
顧客リストは最低でも1カ月に1回以上は更新するようにしましょう。あらかじめリスト更新するタイミングを決めておくと、リスト更新を忘れずにすみます。
個人情報は慎重に取り扱う
Google広告のカスタマーマッチ機能を利用する際は、メールアドレス・電話番号などの個人情報をアップロードする必要があります。Googleのサーバーへは暗号化(ハッシュ化)された状態で個人情報が送信されるので、個人情報保護の観点では安心です。
ただ、取得した個人情報の取扱いには細心の注意を払いましょう。Google広告へアップする段階で個人情報が流出してしまうと、顧客から損害賠償を請求される可能性もあります。オフライン環境で個人情報を管理する等、個人情報のセキュリティ対策に万全を期してください。
まとめ
Google広告のカスタマーマッチを利用することで、メールアドレス・電話番号などの顧客データをもとに広告配信先を絞ることが可能です。顧客リストとマッチした既存顧客・類似ユーザーに効率よく広告配信できるので、広告運用の費用対効果の改善にも繋げられます。
Google広告のカスタマーマッチを利用するには、Google広告で規定された利用条件を満たすことが必須です。利用条件を満たすためには、まずはカスタマーマッチなしでGoogle広告を運用していく必要があります。まずは利用する顧客データを収集しつつ、Google広告の運用実績を積んでいきましょう。