Trip.com収益マスター講座

【総論】Trip.comは「中国インバウンド」を取りにいく

Trip.comは訪日中国人インバウンドを取りにいくOTAです。中国最大手「Ctrip(携程)」のグローバル版で、訪日中国人の5〜9割が利用するとも言われる、中国客への最強チャネルの一つ。

この講座は、Trip.com(トリップドットコム)で成果を出すための実践ガイドです。初回は全体像——中国市場に強いこの媒体の特性と、運用の位置づけを描きます。

〜 目次 〜

  1. Trip.comとはどんな媒体か
  2. 手数料とアジアでの位置づけ
  3. 3つの武器
  4. 春節・国慶節を取り込む
  5. どう位置づけるか
  6. 攻略の全体像
  7. まとめ

OTAは客層ごとに使い分ける時代です。Trip.comはその中で、中国本土のインバウンドを担う専門チャネルとして位置づけると効果的。欧米はBooking、アジア広域はAgoda、そして中国はTrip.com——という役割分担を意識すると、媒体選びがクリアになります。

Trip.comとはどんな媒体か

Trip.comは、1999年に中国・上海で創業したTrip.com Group(旧Ctrip/携程)のグローバルブランド。中国国内では「Ctrip(携程)」、海外向けには「Trip.com」として展開しています。会員数は4億人超、訪日中国人の多くが旅行手配に利用する“中国人の旅行インフラ”です。

最大の強みは、圧倒的な中国客への送客力。中国語の手厚いサポート、Alipay・WeChat Payなど中国の決済システムとの連携、中国の旅行トレンドに合わせた特集など、中国市場に特化した設計が、Airbnb・Bookingにはない強みです。

名称の歴史を整理しておきましょう。もともと「Trip.com」はアメリカのOTAで、Ctrip(携程)とは別物でした。それを中国のCtrip社が買収し、中国国内向けは「Ctrip(携程)」、海外向けは「Trip.com」として展開しています。つまり中国客が普段使う携程アプリと、私たちが見るTrip.comは、同じグループの“表と裏”の関係です。

会員4億人という規模は、訪日インバウンドにそのまま効きます。中国の調査では、訪日中国旅行者の5割強〜8割がCtripを利用するとも言われ、中国客にとっては旅行のインフラ。日本人にとっての楽天トラベルやじゃらんのような存在を、中国客向けに押さえられるのがTrip.comです。

手数料とアジアでの位置づけ

Trip.comの基本コミッションは約15%(成果報酬・税込総額に課金)。Agodaと並ぶ水準です。同じアジア系でも、Agodaが東南アジア含むアジア全般に強いのに対し、Trip.comは中国本土に圧倒的という違いがあります。

FIG.1 — 主要OTAのホスト手数料比較(目安・変動あり)
Airbnb(固定型)約15.5%Trip.com約15%Agoda(基本)約15%Booking.com(実効)20〜30%

基本は約15%。中国客の集客力で“元を取る”発想で使う。

中国決済への対応は、想像以上に予約率を左右します。中国ではクレジットカードよりAlipay・WeChat Payが主流で、これらが使えるかどうかが“予約するかどうか”の分かれ目になることも。Trip.comは中国の決済システムと連携しているため、中国客が普段どおりの方法で、ストレスなく予約・決済できるのが大きな強みです。

3つの武器

Trip.comの価値は、次の3点に集約されます。

🇨🇳
中国客の送客力

訪日中国人の多くが利用。Ctrip経済圏の集客力

💴
中国決済の対応

Alipay・WeChat Payなど中国客が使い慣れた決済

口コミ文化

中国客は口コミを超重視。高評価が次の予約を呼ぶ

口コミ文化の強さも、Trip.comの大きな特徴です。中国客はサイトの宣伝文句よりも、実際に泊まった人の口コミを信頼する傾向が非常に強い。Ctripは口コミ欄を充実させ、評価を数値化して比較しやすくしています。だからこそ、良い口コミを積むことが、そのまま次の予約につながる仕組みになっています(EP05)。

春節・国慶節を取り込む

Trip.comを使う最大の理由の一つが、中国の大型連休です。春節(旧正月・1〜2月)国慶節(10月初)は、訪日中国客が集中する二大ピーク。労働節(5月)や夏休みも需要が高まります。

FIG.2 — 訪日中国客の需要が高まる時期(イメージ)
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月繁忙期閑散期

春節(2月)と国慶節(10月)が二大ピーク。閑散期を埋める好機。

これらは日本人需要が薄い時期と重なることも多く、閑散期を埋める“逆張りの稼ぎ時”になります。

Agodaとの使い分けも整理しておきます。どちらもアジア系OTAですが、Agodaは東南アジア・韓国・台湾を含むアジア全般、Trip.comは中国本土に圧倒的。中国客を本気で取りにいくならTrip.com、アジア広域ならAgoda、という役割分担で両方に出すのが、インバウンド攻略の王道です。

Trip.comには、SNSのような機能(観光地の写真・動画投稿、ライブ配信、ミニブログ「攻略」)もあり、ユーザーがユーザーを呼ぶ流れがあります。さらに小紅書(RED)やWeChatと連動した広告も可能。単なる予約サイトを超えた“中国客の旅行プラットフォーム”として捉えると、活用の幅が広がります。

近年は、団体ツアーだけでなく個人旅行(FIT)の中国客、とりわけ富裕層の回復が進んでいます。個人で旅程を組む層は、口コミやSNSを見て宿を選ぶため、Trip.com上での評価や情報の充実度がそのまま予約に直結する。団体頼みだった時代とは違う、“個”の中国客を取り込む準備が重要です。

どう位置づけるか

Trip.comは中国インバウンドを狙う施設の必須級チャネル。高手数料ゆえメイン1本にするより、Airbnb・Booking・Agodaと並べて“中国客・春節需要”を取りに行く位置づけが現実的です。中国客に人気のエリア・施設なら効果が大きくなります。

攻略の全体像

この講座は、Trip.comの強みを活かす順番で進めます。

01
中国語ページを作る
中国語圏ゲストに伝わる掲載情報(EP02)
02
予約文化を踏まえ値付け
中国の決済・割引文化を踏まえた価格設計(EP03)
03
手数料を最適化
コミッションと露出施策の費用対効果(EP04)
04
口コミを積む
中国語圏ゲストの評価とトラブル対応(EP05)
05
直予約へ
Trip.com依存からの自社化(EP06)

Trip.comは、訪日中国客という巨大な市場への“最短ルート”です。手数料は高めでも、春節・国慶節をはじめとする中国需要を取り込めれば、閑散期の稼働を底上げできる。中国客をターゲットにするなら、外せない一手になります。

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まとめ

論点結論
媒体Ctrip(携程)のグローバル版・会員4億人超
客層訪日中国人(5〜9割が利用とも)
手数料基本約15%・成果報酬・税込総額に課金
強み中国送客力・中国決済対応・口コミ文化
稼ぎ時春節・国慶節で閑散期を埋める

各回はシリーズ目次から読めます。次回EP02では、中国語圏ゲストに伝わる掲載情報の作り方に進みます。

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