Airbnb収益マスター講座

【季節】月別・イベント別の集客戦略カレンダー

同じ物件でも、季節によって適正単価は2倍以上変わります。繁忙期にしっかり取り、閑散期を埋める——この年間設計ができるかで、年収は大きく変わります。

EP02で値付けの“仕組み”を学びました。この回はそれを日本の季節カレンダーに落とし込みます。いつ・どれだけ上げ下げするか、そして日本人とインバウンドで“繁忙期がずれる”という重要な視点を解説します。

〜 目次 〜

  1. まず日本の繁忙期・閑散期を知る
  2. 繁忙期はどれだけ上げるか
  3. インバウンドで“繁忙期がずれる”
  4. 閑散期を埋める打ち手
  5. 繁忙期に“取り切る”打ち手
  6. イベントを取りこぼさない
  7. まとめ

まず日本の繁忙期・閑散期を知る

価格戦略の出発点は、自分のエリアの繁閑カレンダーを正確に把握することです。日本の民泊の一般的な需要の波は、おおむね次のようになります。

FIG.1 — 日本の民泊・年間需要カレンダー(一般的な目安)
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月繁忙期閑散期

桜・夏・紅葉・年末年始が繁忙期。1〜2月・梅雨・9月平日が閑散期。

繁忙期は桜(3月下旬〜4月上旬)、ゴールデンウィーク、夏休み(7〜8月)、紅葉(10〜11月)、年末年始。都市部では平均稼働率が80〜95%に達する物件も珍しくありません。一方の閑散期は1月中旬〜2月、梅雨(6月)、9月の平日で、稼働は40〜60%、インバウンド依存の高いエリアでは30%台に沈むこともあります。

同じ“繁忙期”でも、都市と地方では戦い方が違います。都市部(東京・大阪・京都など)は繁忙期の稼働が90%超に達する一方、競合も多く価格競争に巻き込まれやすい。地方は通年の稼働は読みにくいぶん、紅葉や花火など“ハマる時期”に需要が集中します。自分の物件がどちらのタイプかで、年間カレンダーの濃淡が変わります。

繁忙期はどれだけ上げるか

通常期のベース価格を基準に、需要のピークで何倍にするか。あくまで目安ですが、次のような幅で考えます。

FIG.2 — 繁忙度別の価格倍率(目安)
通常期×1.0繁忙期(夏・紅葉等)×1.5〜2.0最繁忙(桜・年末年始)×2.0〜2.5閑散期×0.7〜0.9

桜・年末年始は2〜2.5倍でも埋まることがある。閑散期はベースの7〜9割に。

ただし上乗せ幅はエリアの競合状況に大きく左右されます。EP02で触れた通り、同条件の周辺物件の繁忙期価格をリサーチし、その中央値よりやや高め(5〜10%上)に置いて、予約の入り具合を見ながら微調整するのが安全です。強気にしすぎて空室、安すぎて取りこぼし——どちらも避けたい。

具体的にイメージしましょう。東京・都心の1LDKで通常期のベースが1泊1.2万円なら、桜シーズンは2.4万円前後でも予約が入ることがあります。逆に2月の平日は1万円を切る水準まで下げないと埋まらない日もある。同じ部屋で月の売上が倍以上ぶれる——これが季節戦略を軽視できない理由です。

インバウンドで“繁忙期がずれる”

ここが日本の民泊の面白いところです。日本人にとっての閑散期が、特定の国にとっては繁忙期になります。年間カレンダーを“国際的な視点”で塗り替えると、閑散期を埋める打ち手が見えてきます。

🇨🇳
春節(1〜2月)

中国・台湾・香港の大型連休。日本の閑散期と重なり“逆張り”で埋められる

🎏
国慶節(10月初)

中国の大型連休。紅葉前の需要を押し上げる

🌸
桜・夏

欧米豪・アジア全般。長期滞在の欧米客は夏に強い

POINT つまり、日本人需要が薄い1〜2月でも、春節期間(毎年日付が変動)に中国圏のゲストを取り込めれば、閑散期の谷を埋められます。英語・中国語の説明(EP03)と、その時期だけ柔軟なポリシー(EP08)が効いてきます。

繁忙期の価格は、直前ではなく数ヶ月前から反映しておくのが鉄則です。桜や年末年始は早くから予約が動くため、直前に上げても“もう埋まっていて取りこぼし”になりがち。早めにカレンダーへ繁忙期価格を入れておき、入りを見ながら微調整するほうが、結果的に高く・確実に埋まります。

閑散期を埋める打ち手

閑散期は「単価を守る」より「稼働を切らさない」を優先します。空室のまま日が過ぎるのが最大の損失です。

連泊割引を強める:7泊10〜15%、30泊20〜30%。ワーケーション・出張・長期滞在を取り込む
最低宿泊日数を下げる:1泊から受けて、孤立日を埋める
早割(早期予約割引):5〜10%でカレンダーを早めに埋める
ターゲットを変える:国内が薄ければインバウンド(春節等)へ照準を移す

閑散期の連泊割引には、もう一つ利点があります。清掃の回数が減ることです。1泊×7回より7泊×1回のほうが清掃コストも手間も小さく、1泊単価を下げても手取り効率はむしろ上がる。ワーケーションや出張など、閑散期にこそ存在する長期滞在ニーズを取り込むのが、谷を埋める王道です。

繁忙期に“取り切る”打ち手

繁忙期は逆に「稼働」より「単価」を優先します。放っておいても埋まる時期に、安売りしないことが利益を最大化します。

早めに価格を上げる:直前ではなく、数ヶ月前から繁忙期価格を反映
最低宿泊日数を設定:2〜3泊以上にして単価と効率を上げる
キャンセルポリシーを厳格に:ドタキャンの痛手が大きい時期は固く守る(EP08
早割でカレンダーを先に埋める:繁忙期の早期予約を確保し、機会損失を防ぐ

もう一つ忘れてはいけないのがカレンダーの更新頻度です。Airbnbのアルゴリズムは、価格や在庫をこまめに動かしているホストを“生きたリスティング”として優遇する傾向があります。季節に合わせて価格を動かす作業そのものが、露出にもプラスに働く——一石二鳥なのです。

イベントを取りこぼさない

季節の波とは別に、近隣の単発イベントが需要を跳ね上げます。花火大会、大型コンサート、スポーツの試合、見本市・展示会、そして万博のような大規模イベント。これらの日程は、周辺ホテルが満室になり民泊に需要が流れ込みます。

⚠ イベント日は“点”で上げる。 カレンダーにイベントを書き込み、その前後だけピンポイントで強気の価格に。ダイナミックプライシングツール(EP02)の多くはイベント情報を加味しますが、ローカルな催事は手動での上乗せが有効です。

季節戦略に“完成”はありません。去年の実績(どの時期に・いくらで・何泊埋まったか)を毎年見返し、翌年のカレンダーに反映する。この繰り返しで、自分の物件だけの“勝ちパターン”が育っていきます。データを残すことが、来年の自分への最高の投資です。

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まとめ

論点結論
繁忙期桜・GW・夏・紅葉・年末年始。単価優先で取り切る
閑散期1〜2月・梅雨・9月平日。稼働優先で埋める
倍率通常×1、繁忙×1.5〜2、最繁忙×2〜2.5(目安)
インバウンド春節・国慶節で閑散期を“逆張り”で埋める
イベント近隣の催事は点で強気に上げる

「自分のエリアの繁閑と、最適な年間価格カレンダー」を作りたい方は、KYAKUDENの無料相談へ。次回EP08では、繁閑と連動する“キャンセルポリシー”の設計に進みます。

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