リターゲティング広告を成功に導く7つの秘訣

複数のチャネルとつながっている様子

「リターゲティング広告を成功させる秘訣が知りたい」という要望に応えます。

一度サイトを訪問したユーザーに離脱後も広告配信することで、サイトへの再訪を促せる「リターゲティング広告」。
効率的な広告運用を可能にし、高い費用対効果が期待できます。

しかし、試してみたものの思うような成果が上がらず、悩んでいる人も多いのではないでしょうか

本記事では「リターゲティング広告が成功する秘訣」を7つ紹介します。
「実行する際の注意点」や「Cookie規制後の展開」についても解説しているので、今後のリターゲティング広告活用にも役立つ内容です。

リターゲティング広告を成功させる秘訣は、以下の7つ。

  • ユーザーリストの細分化
  • 適切な除外設定
  • バナーの改善
  • 広告表示頻度の調整
  • 広告配信のタイミングを最適化
  • 複数の配信面の活用
  • コンバージョン追跡

とくに重要なのは、ユーザーリスト。
リストの精度が高いほど、よりパーソナライズ化された広告を適切なターゲットに届けられます。
広告の配信先を興味関心の高いユーザーに絞れるため、無駄な広告費を抑えられます。

本記事の内容を実践できれば、現状のリターゲティング広告を調整することで今より大きな成果を上げられるでしょう。

目次

リターゲティング広告の種類【成功のために特徴を理解しよう】

女性を囲むさまざまなデジタル広告

リターゲティング広告には、7種類の配信形式があります。
それぞれの特徴をふまえ配信形式を選ぶことで、成功へと近づくでしょう。

※広告媒体によって名称が異なりますが、機能はほとんど同じです。

リターゲティング広告の種類 特徴・機能
標準リターゲティング広告
  • 自社サイトの訪問歴があるユーザーに広告配信
  • 他のWEBサイト・アプリ・SNS閲覧時に配信
  • バナーなどを準備するだけで配信可能
  • 最大540日まで追跡期間を設定できる
アプリリターゲティング広告
  • 自社アプリ内の行動履歴をもとにユーザーリストを作成、リストを活用して広告を配信
  • 出稿単価が安く、露出を増やすのに向いている
動画リマーケティング広告
  • 自社YouTubeチャンネルなどの視聴歴があるユーザーに広告配信
  • 他サイトの閲覧時に、関連する広告を動画形式で表示
  • YouTubeアカウントとGoogle広告を連携して使用
  • 単価は高いがCVRや認知度の高さは魅力
Googleアナリティクスリマーケティング広告
  • Googleアナリティクスの計測データをもとに、広告を配信する
  • 滞在時間・セッション数・カゴ落ちなど、より詳細なユーザーリストを作成可能
  • ターゲティングに有効で、CVR向上が期待できる
顧客リストにもとづくリターゲティング広告
  • 自社が持つ顧客の連絡先情報をもとにリストを作成し、広告を配信する
  • ポリシー遵守に関する実績など、使用に条件あり
  • リスト次第で新規顧客の開拓も狙える
  • 100~1000件ほどの顧客リストを持つ企業向き
検索広告向けリマーゲティングリスト(RLSA)
  • 自社サイトへの訪問歴があるユーザーに広告配信
  • 過去の検索ワードをもとに、検索中に関連する広告を表示
  • 入札単価を高く設定することでサイトへの再訪を促せる
  • 購買意欲が高いタイミングでの配信が可能で、CVR向上が期待できる
動的リターゲティング広告
  • ユーザーが閲覧した商品・サービス情報をもとに広告を配信する
  • 個々にカスタマイズされたメッセージを表示し、サイトへの再訪を促す
  • 商品の種類が多いECサイトなどに向いている

リターゲティング広告のフォーマット

リターゲティング広告には配信形式のほかに、フォーマット(タイプ・仕様)が存在します。
成功させるには、配信面の特性とマッチしたフォーマットを使用することが重要です。

フォーマットの種類 特徴
バナー広告
  • WEBサイトやアプリの広告枠に表示される
  • 動画表示も可能なため、より多くの情報をユーザーに伝えられる
  • サイトの訪問歴をもとに関連する広告を配信
リスティング広告
  • 検索結果に表示されるテキストタイプの広告
  • 過去の検索履歴をもとに関連する広告を配信する
  • ユーザーの興味関心をひく文章を書けるかが成功の鍵
動画広告
  • YouTubeなどのプラットフォームや、WEBサイト上に表示される動画形式の広告
  • 過去動画の視聴歴やWEBサイトの訪問歴をもとに、パーソナライズ化した動画広告を配信できる
SNS広告
  • SNSプラットフォーム上に表示される広告
  • ユーザーのSNSでの行動や興味関心をもとに、関連する広告を配信
  • タイムライン上に自然に表示されるため広告感が薄まる
  • シェア・いいね・リポストなどで拡散されやすい
ネイティブ広告
  • WEBページやアプリのディスプレイ上に配信される
  • 自然な形で表示されるため広告感を感じさせにくい
  • くり返し目にとまることで自然に好印象を持たれる「単純接触効果」が期待できる

リターゲティング広告を成功させる7つの秘訣

リターゲティング広告のメリットは、購買意欲の高いユーザーに絞ってアプローチすることで高いコンバージョン率が見込めることです。

成果を出せるかは的確なターゲティングにかかっていますが、他にも重要なポイントがあります。
以下の7つを押さえておくことで、リターゲティング広告が成功する確率を高められるでしょう。

【成功させる7つの秘訣】

  • ユーザーリストの細分化
  • 適切な除外設定
  • バナーの改善
  • 広告表示頻度の調整
  • 広告配信のタイミングを最適化
  • 複数の配信面の活用
  • コンバージョン追跡

ユーザーリストを細分化する|セグメント化

前提として「ユーザーは自分が興味関心のあるものだけを見ている」ということを理解しておきましょう。
トップページで離脱したユーザーと購入フォームまで到達して離脱したユーザーとでは、商材に対する興味関心の度合いがまるで違います。

リターゲティング広告を成功させる秘訣は、ユーザーが到達したページ階層ごとにリストを細分化しセグメント化すること。
リストが詳細なほど、よりパーソナライズ化した広告を配信できます。

【配信リスト作成の例】

セグメントする項目 セグメントの例
サイトへの訪問期間(訪問後の日数) 訪問からの経過日数・訪問回数でセグメント化
→コンバージョンまでの期間を把握し、最適な配信期間を導き出す
閲覧ページ(階層) ユーザーが到達したページ階層でセグメント化
→モチベーションを分析し、離脱ポイントに合わせて配信を調整する
閲覧ページ(閲覧内容) 閲覧した商品・サービスでセグメント化
→ユーザーの目的にマッチしたリターゲティング広告を配信する
ユーザー行動 滞在期間・スクロール率でセグメント化
→自社商品に対する興味関心を分析し、訴求内容やクリエイティブを調整する
流入元 ブログ・SNS・メール・広告などの流入元でセグメント化
→流入数の多い媒体へのリターゲティング広告配信を強化する

データ分析にもとづき適切な除外設定を行う

リターゲティング広告は行動履歴をもとに配信されるため、場合によっては同じユーザーや自社商材に興味のないユーザーにも広告が表示されます。
ユーザーに不快感を与えたり無駄な広告費をかけたりしないよう「配信除外機能」を使って特定のセグメントを外すことも成功の秘訣です。

細分化したユーザーリストごとにデータを分析し、適切な除外設定を行います。

【除外設定の例】

配信を除外するユーザー 分析方法
コンバージョン済みのユーザー 決済ページにリターゲティングタグを設置
商品に興味のないユーザー ページ内の滞在時間を分析
配信を制限したい地域や店舗 地域ごとのユーザー行動を分析
検討期間を過ぎたユーザー サイト訪問後の日数を分析
コンバージョン率が低い流入元 各媒体からの流入数やキーワードからのコンバージョン率を分析

定期購入を狙う商材の場合はコンバージョン済みのユーザーであっても除外せず、機会損失を防ぎましょう。

バナー広告を改善する

リターゲティング広告は自社サイトを訪れたことのあるユーザーが対象のため、同じバナーを使い続けているとクリック率の低下につながります。
クリック率を定期的にチェックしながら、必要に応じてバナーデザインを見直しましょう。

主な改善ポイントは、デザインとサイズ。
「ユーザーの興味関心をひくバナー広告を作れるか」も、リターゲティング広告成功の秘訣です。

効果的なバナーデザイン 効果的なバナーサイズ
  • 会社名・会社のロゴを入れる
  • 画像やイラストでわかりやすいデザイン
  • コピーは大きな文字で目立つ位置に入れる
  • CTAボタンは押しやすい形や色と魅力的な広告文
  • 商品の写真と人物画像を使い分ける
【ブラウザ】

  • 160×600
  • 300×250
  • 336×280
  • 300×600
  • 728×90

【モバイル】

  • 320×50

デザイン変更時はもちろんバナーサイズを変えた場合も、表示回数・CTR・CVRを計測します。
大きいほど視認性が上がりますが、必ずしもコンバージョンに結びつくとは限りません。
ABテストで効果検証と改善をくり返し、よりユーザーに刺さるバナーを制作しましょう。

フリークエンシー(広告表示頻度)を調整する

リターゲティング広告は、ユーザーが他のサイトやアプリを見ているときに表示されます。
同じ広告が媒体をまたいで何度も表示されるため、いきすぎると「広告がしつこい」と思われかねません。

リターゲティング広告を成功させる秘訣は、自社のブランドイメージを下げないよう表示頻度を調整すること。
同じユーザーに広告を表示させる上限回数「フリークエンシーギャップ」を設定することで、過剰な広告表示を防げます。

広告配信のタイミングを最適化する

基本的に、サイトに訪問して日が浅いユーザーは自社商材への興味関心が高く、時間が経過するほど購買意欲が下がっていく傾向があります。
モチベーションが高いうちにリターゲティング広告を配信し、自社サイトへの再訪を促しましょう。

難しいのは高額商品を扱う場合です。
購入の検討期間が低額商品よりも長いため、サイト離脱後すぐのタイミングでリターゲティング広告を配信しても効果が期待できません。

ABテストをくり返すなどしてデータを集め、最適な広告配信のタイミングを図ることが成功の秘訣です。

複数の配信面を活用する

媒体によって配信面が異なり、リーチできるユーザー層も変わってきます。
【主な配信面】

  • GDN:Gmail・Blogger・YouTube・食べログ・ライブドアブログなど
  • YDA(旧YDN):Yahoo!トップページ・ニュース(天気)・知恵袋・ヤフオクなど

配信する媒体を限定していると、ターゲットユーザーが普段使いしているコンテンツに広告が表示されません。
機会損失にならないよう配信面を充実させることも、リターゲティング広告成功の秘訣です。

また、定期的に配信面の効果を検証し、パフォーマンスが低い面は配信を除外しましょう。

コンバージョンまでの経路や期間を追跡する|効果検証と改善

リターゲティング広告をクリックしてから購入ページでコンバージョンするまでの経路を、追跡してデータ収集します。
集めたデータを分析することで、精度の高い効果検証が可能です。

流入の少ない広告をあぶり出し、適切に改善しましょう。
同時に、コンバージョンが発生するまでの期間も追跡すれば、配信の頻度やタイミングの改善にも役立ちます。

リターゲティング広告を成功させるには、ABテストの結果をもとにリアルタイムでの効果検証と改善をくり返すことが重要です。

【効果検証・改善する際に見るべき指標】

  • クリック率(CTR)
  • コンバージョン率(CVR)
  • リーチ
  • エンゲージメント率
  • 投資収益率(ROI)  など

リターゲティング広告の注意点

「過度な広告表示はユーザーの嫌悪感につながる」こと以外にも、リターゲティング広告には注意すべきポイントがいくつかあります。
やりがちなミスを防ぐことも、成功の秘訣といえるでしょう。

以下の一覧表にて、リターゲティング広告の注意点をまとめました。

注意点 対策方法
プライバシー保護に配慮する
  • プライバシーポリシーを厳重に管理
  • データ収集・利用の透明性と合法性を確保する
  • 広告表示のオプトアウト(拒否)を用意する
広告メッセージには一貫性を持たせる
  • コンセプトに合わせたトンマナを設定する
  • 適切なパーソナライズで差別化する
モニタリングではなくターゲティングで設定する(ターゲットリストの絞り込みが有効化されない)
  • オーディエンスリストの紐づけが「ターゲティング」になっているか必ず確認する
ターゲットの拡張を無効にする(ターゲット以外のユーザーにも広告配信される)
  • 広告グループ設定で「無効」にする
タグの設定もれがないかチェック(もれていると広告配信されない)
  • ページごとにタグが設定されているか確認する
サイトが初期段階のうちは配信しない(新規顧客の獲得には効果がない)
  • 「最低1000人以上」「30日間のアクティブユーザー数が100人以上」のユーザーリストを集める

リターゲティング広告の今後【サードパーティーCookieの規制による影響】

リターゲティング広告はCookieを利用してターゲットを追跡するため、規制が強化されると従来どおりの効果を得られなくなる可能性があります。
2024年8月の時点ではまだCookieを利用できるものの、ユーザーの同意が必要です。
同意管理ツールを導入するなどして、適切に対応しましょう。

今後は「サードパーティCookie」だけに頼らない方法を考えることも、成功の秘訣になるかもしれません。
口コミやアンケートなどユーザー自らがデータを提供してくれるような施策や、AI技術を活用した新しいターゲティング手法などが重要になってくるでしょう。

今後もリターゲティング広告を成功させて業績アップ!

仮にサードパーティCookieが使用できなくなっても、リターゲティング広告自体はなくなりません。
ユーザーが訪問した先のWEBサイトから得られる「ファーストパーティCookie」が利用できるからです。
情報の精度に物足りない部分はあるものの、従来の手法でリターゲティング広告を配信できます。

とはいえ、今後は従来のやり方に新しい手法や技術をうまく取り入れていくことが、成功の秘訣になるでしょう。

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