- 動画マーケティングの目的やメリットが知りたい
- 動画マーケティングを成功に導く方法が知りたい
- 動画マーケティングで成功するまでの道筋を教えて
動画マーケティングとは映像を活用したマーケティング手法で、認知拡大や購買促進に有効です。
実際に多くの企業が動画マーケティングを導入しており、業績アップに成功しています。
しかし、自社に取り入れた場合の「成功までの道筋」が見えないため、導入を迷っている経営者も多いのではないでしょうか。
本記事では、動画マーケティングが成功する5つの手法を解説します。
外注する際のコツや他社の成功事例など、導入を検討している人におすすめの内容です。
動画マーケティングで重要なのは、思いつきで動画を作成しないこと。
Googleも提唱する「HHH(スリーエイチ)」戦略に基づいた構成を心がけましょう。
「HHH(Hero・Hub・Help)」については、本文内で詳しく解説します。
業績を伸ばして会社を成長させたい人は、最後まで読んでみてください。
動画マーケティングとは何か詳しく知りたい人は、こちらの記事をどうぞ。
動画はテキストや写真の5000倍の情報量!?動画マーケティングのメリットについてご紹介!
動画マーケティングの必要性
商品や企業の魅力が視覚的に伝わる動画マーケティングは、既存の顧客だけでなく潜在顧客の目にもとまりやすい点が魅力です。
配信媒体が多く拡散性も高いため、認知獲得やブランディングに高い効果を発揮します。
マーケティングに動画を活用した成功事例も増えており、今後ますます価値が高まる見込みです。
動画マーケティングの市場規模
動画広告市場規模の拡大により、動画マーケティング市場も年々成長しています。
スマートフォンやタブレットの普及で動画コンテンツが見られやすくなったことや、動画制作のハードルが下がったことが要因です。
2024年2月にサイバーエージェントが発表した「動画広告市場推計・予測」によれば、2023年の動画広告市場規模は6,253億円(前年比112%)と右肩上がり。
2027年には、動画広告市場は1兆228億円に達すると予測されています。
【動画広告市場推計・予測:デバイス別】
年 | 合計 (億円) |
スマートフォン (億円) |
コネクテッドテレビ (億円) |
PC (億円) |
2022 | 5,581 | 4,601 | 540 | 440 |
2023 | 6,253 | 5,048 | 740 | 465 |
2024 | 7,209 | 5,810 | 920 | 479 |
2025 | 8,212 | 6,620 | 1,110 | 482 |
2026 | 9,252 | 7,475 | 1,270 | 507 |
2027 | 10,228 | 8,301 | 1,410 | 517 |
出典:サイバーエージェント、2023年国内動画広告の市場調査を発表
【動画広告市場推計・予測:広告商品別】
年 | 合計 (億円) |
インストリーム (億円) |
インフィード (億円) |
インバナー (億円) |
その他 (億円) |
2022 | 5,581 | 2,685 | 2,101 | 290 | 505 |
2023 | 6,253 | 3,053 | 2,307 | 343 | 550 |
2024 | 7,209 | 3,589 | 2,641 | 389 | 590 |
2025 | 8,213 | 4,144 | 3,001 | 438 | 630 |
2026 | 9,251 | 4,694 | 3,413 | 479 | 665 |
2027 | 10,228 | 5,204 | 3,832 | 507 | 685 |
出典:サイバーエージェント、2023年国内動画広告の市場調査を発表
動画マーケティング市場が拡大傾向にある理由
- 動画プラットフォームが浸透してきたから
- SNS上で動画を見る人が増え続けているから
- 5Gの到来(普及)でさらに広がる可能性があるから
YouTubeをはじめとする動画プラットフォームの浸透で動画広告の効果が増し、動画マーケティング市場の拡大につながっています。
SNS利用者が増えたことで動画の拡散が加速し、より高い宣伝効果を得られるようになったのも大きいでしょう。
総務省によると日本のSNS利用者数は2022年時点で1億200万人おり、2027年には1億1,300万人に増加するとの見込み(参考:総務省)。
5G環境による通信データの高速化や大容量化にともない、動画マーケティングでやれることが増えた点も市場規模拡大の理由です。
動画マーケティングの目的
動画マーケティングの目的は、主に以下の3つです。
- 認知獲得・向上
- ブランディング
- 購入・申し込み(コンバージョン)
最初の目的は、自社の商品やサービスを知ってもらうことです。
SNSで拡散されるような動画を制作できれば、多数の潜在顧客にアプローチできます。
商材や企業の雰囲気を伝え共感を得ることで、ブランドのイメージアップにもつながるでしょう。
最終的には動画で商品の使い方やサービス利用者の声などを届け、コンバージョン(成約)を獲得するのが目的です。
動画マーケティングは商品購入後のフォローや教育が可能なため、既存顧客のリピートを促せます。
動画マーケティングのメリット
動画マーケティングなら、テキストコンテンツにはできない手法を取れます。
情報が視覚的に伝達されるため、文章では伝わらないメッセージも届けられるからです。
動画マーケティングの主なメリットは、以下のとおり。
- 情報量が多い
- 拡散されやすい
- ストーリーを伝えやすい
- 低予算で行える
- 効果を測定しやすい
動画は短時間で伝えられる情報量が多い
視覚や聴覚を通して情報が伝達されるため、短時間で多くの魅力を伝えられます。
アメリカの調査会社「Forrester Research」のJames McQuivey博士によると、1分間の動画で以下の情報量が伝達可能とのこと。
- 文字情報に換算すると180万単語分
- WEBページで3,600ページ分
実際に商品を使っている動画を見せて訴求力を高めたり、アニメーションを用いて実写では表現しにくい情報を直感的に伝えられます。
また、テロップなどの文章にナレーションを付ければ、文字を「読む」といった労力が必要ありません。
情報獲得のハードルが下がり、動画広告が見られやすくなります。
動画が拡散されやすい
魅力的な動画はSNS上で拡散されやすく、より広範囲に商品やサービスを宣伝できます。
「バズる」動画を作り爆発的に拡散されれば、ターゲット層だけでなく多くの潜在層(将来の見込み顧客)へリーチできるでしょう。
動画は「ながら視聴」できる点も魅力です。
目や耳から勝手に情報が飛び込んでくるため、ユーザーの興味や関心をひきやすくなります。
ただし、拡散されやすいぶん、炎上には注意しましょう。
ステルスマーケティングやコンプラ違反などが一度でも発覚すると、ユーザーは一気に離れていきます。
動画はストーリーを伝えやすい
マーケティングにおいて、ストーリー性は重要な要素。
類似する商品やサービスが溢れている現代では、いかに興味を持ってもらうかが成功の鍵です。
動画コンテンツはストーリーや体験談を通じてユーザーにインパクトを残す手法、「ストーリーテリング」に適しています。
魅力的なストーリーはユーザーの感情を動かし、ブランドへの共感を得られやすくするからです。
ドラマ仕立ての構成にすると、ブランドの雰囲気や世界観が伝わりやすくなります。
以下の要素を盛り込んだストーリーを作ることで、ブランディングや認知拡大につながるでしょう。
- 商品やサービスの魅力
- 他社にはない付加価値
- 企業理念や考え方
動画はテレビCMよりも低予算でできる
莫大な広告費がかかるテレビCMに比べ、低予算で多くの見込み顧客にアプローチできる点も動画マーケティングのメリットです。
YouTubeをはじめとする動画配信プラットフォームが豊富で、動画を制作しやすい環境が整っています。
作った動画を複数のプラットフォームで配信すれば、同じ制作費で最大限の効果を生み出せるでしょう。
1つの動画コンテンツを多方面で活用できる点は、動画マーケティングの大きな魅力です。
効果測定がしやすい
WEB上で配信する動画コンテンツは、分析ツールを使うことで簡単に計測できます。
費やした費用や労力に対する効果を数値で明確化できるため、有効な改善案を見出しやすい点が魅力です。
たとえば問い合わせ数や無料サンプルの利用者数などから、実際に動画の訴求によって獲得できた見込み顧客の数(セールスリード数)を割り出せます。
主観ではなく社内の誰が見てもわかる効果測定をすることで、正しいABテストの実施が可能です。
動画マーケティングのデメリットも知りたい人は、こちらの記事をどうぞ。
動画マーケティングのデメリット
動画マーケティングが成功する5つの手法
動画マーケティングは多くのメリットがある一方で、ノウハウや人材が必要だったり制作費がかかったりするなどのデメリットもあります。
投じたリソースを無駄にしないために、動画マーケティングの基本的な考え方を理解しましょう。
動画マーケティングを成功に導く手法は以下の5つ。
- 目的を明確にする
- ターゲットを絞る
- 基本の動画戦略「HHH」を意識する
- 配信場所(媒体)を決める
- 定期的に効果測定し改善する
目的を明確にする
認知獲得か購買促進か、動画マーケティングを行う目的をはっきりとさせましょう。
目的によって、制作する動画の内容が異なるからです。
- 認知獲得が目的:視認性が高くSNSで拡散されやすい動画
- 購買促進が目的:情報が直感的に伝わるような動画
目的が明確になったら、KPIと呼ばれる中間目標を設定します。
KPIを設定する際は、誰が見てもわかるような指標にするのがポイント。
たとえば認知獲得なら「再生回数」や「インプレッション数」、購買促進なら「クリック率」や「コンバージョン率」をKPIにします。
【KPIの具体例】
視聴回数(再生回数) | 動画が視聴(再生)された回数 |
インプレッション数 | 動画のサムネイルが表示された回数 |
ユニークユーザー数 | 一定期間内に訪れたユーザー数 |
総再生時間 | 動画が再生された時間の合計 |
平均再生時間 | 1回の動画再生の平均時間(秒) |
完全再生 | 動画が最後まで再生された回数 |
再生完了率(完全再生率) | 動画が最後まで再生された割合 |
視聴維持率 | 動画をどのくらい見続けたかを示す指標 |
クリック率 | 動画内に表示された広告がクリックされた割合 |
コンバージョン率 | 購入や申し込みなど成約まで辿り着いた割合 |
ターゲットを絞る
目的やKPIが定まったら、ターゲットを明確にします。
動画マーケティングで成功するポイントは、自社商品にマッチしそうなターゲット層に絞ってアプローチすること。
よくある失敗例は、「万人受けを狙ったが誰にも興味を持たれなかった」です。
ペルソナ(想定されるユーザー像)を設定することで、ユーザーニーズを捉えた動画マーケティング施策が打てます。
以下のような項目を入れるとよいでしょう。
- 名前
- 年齢
- 性別
- 職業
- 役職
- 年収
- 学歴
- 居住地
- 家族構成
- 趣味
- 価値観
- 悩み・課題など
基本戦略の「HHH」を意識した動画を作る
「HHH(スリーエイチ)」は動画マーケティングの基本戦略です。
Googleも提唱している動画制作のフレームワークで、動画マーケティングで成功している企業は必ずといっていいほど採用しています。
コンテンツの種類 | ターゲット層 | 作るべき動画コンテンツ |
Hero(ヒーロー) | 潜在顧客 | 自社商材を紹介して認知獲得を目指す動画 |
Hub(ハブ) | 見込み顧客 | 商材の魅力を伝えコンバージョンを目指す動画 |
Help(ヘルプ) | 顕在顧客 | 有益な情報を提供してリピートを促す動画 |
HHH戦略で動画マーケティングの目的が明確になるため、適切なターゲットにアプローチできます。
作るべき動画の優先順位がはっきりすることで、不要な動画が制作されません。
思いつくままに動画を作ると収拾がつかなくなりますが、HHH戦略に当てはめれば「認知・購買・リピート」までを体系的に組み立てられます。
配信場所(媒体)を決める
動画が完成したら、配信先(媒体)を決定します。
設定したターゲット層が利用している媒体を中心に選ぶのが、成功するポイントです。
- Facebook:30~50代のビジネスパーソンが多い
- Instagram:10~20代の女性が多い
- TikTok:若年層に人気
プラットフォームごとの特性を活用するのも成功ポイント。
- X(旧Twitter):拡散性が高い
- Facebook:実名登録のため精密なターゲティングが可能
- Instagram:Facebookと連携してターゲティング可能
- LINE:他のSNSでリーチしにくい層にも訴求可能
定期的に効果測定し改善する
動画マーケティングで成功するには、配信した動画に対する効果測定が欠かせません。
設定したKPIを達成しているか、未達ならばどのくらい足りないかを計測します。
期間や測定回数を決めて結果を分析し、課題を見つけて改善するのが動画マーケティングの基本です。
発見した改善点に対して、ABテストをくり返しながらブラッシュアップします。
勝ちパターンを確立したタイミングで一気に広告費をかけ、マーケティング効果を最大化させるのが成功確率の高い手法です。
動画マーケティングを外部へ依頼するメリット
自社に動画マーケティングのノウハウやスキルがない場合は、外注するのも有効な方法です。
専門知識を持ったプロ集団に依頼することで、成功する可能性が高まります。
企画・動画制作・データ分析まで、一括して頼める点も大きなメリット。
人員をさく必要がなくなるため、社内の負担が減らせます。
はじめて動画マーケティングを導入する企業にとっては、心強い味方となるでしょう。
外注する際の注意点は、任せっきりにしないこと。
自社商材の魅力や特徴を知っているのは、自社の人間だけです。
動画マーケティングを外部へ依頼する際のコツ
動画マーケティング支援会社を選ぶ際のコツは、以下のとおり。
- 制作会社の実績と制作事例(過去の実績を確認する)
- サービス内容と求めるものが合致しているか確認する
- アフターフォローやサポートの内容(範囲)
動画マーケティング会社のホームページで、実績や制作動画のクオリティを確認できます。
「自社の目的に適しているサービス内容か」を、見極めるのがコツです。
どれだけ質のいいサービスを提供していても、自社のコンセプトにそぐわなければ思い描くような成功は望めません。
対応してくれる範囲も重要で、動画マーケティング全般を支援する会社と、動画制作や広告運用に特化した会社があります。
はじめて外注する場合は、アフターフォローやサポート体制が手厚いところがおすすめです。
動画マーケティングの成功事例
実際に動画マーケティングを導入して、成功をおさめた事例を紹介します。
- スーパーホテルLohas
- 株式会社ベルク
- ダスキン
真似したところで同じように成功するとは限りませんが、自社の事例に応用させることで勝率を上げられるでしょう。
スーパーホテルLohas(ロハス)
成功した要因は、動画前半でサービスの売りをしっかりと伝え、後半にホームページ予約の特典をアピールすることで自社ホームページに誘導していること。
実際に運営しているホテルで撮影しており、利用時の様子がイメージしやすい工夫がされています。
締めにホテル名を再度告知することで、キーワード検索を促している点も成功ポイントといえるでしょう。
株式会社ベルク
食品スーパーマーケットチェーンを経営している会社の採用PR動画で、YouTubeの再生回数150万回を超える成功事例です。
ドラマ仕立ての構成で、就職活動に悩む女性が働く意味を見出すストーリー展開が魅力。
主人公の目線を通して、ベルクで働くスタッフの姿から笑顔を大切にする企業理念が垣間見えるでしょう。
感動できる動画のためPRっぽさを感じにくく、ブランディング目的でも活用できる成功例です。
ダスキン
株式会社ダスキンが提供する、家族介護支援サービスの紹介動画です。
静止画ではイメージしにくく実写では生々しすぎる介護支援サービスの内容を、全編アニメーションを使って表現することでうまく伝えています。
自社サービスの必要性やメリットもしっかりと説明されており、実際に問い合わせやコンバージョンの増加に成功しています。
アニメーション動画を上手に活用した成功例です。
多くの企業が動画マーケティングで成功している
動画マーケティングの導入で業績アップに成功した企業は、少なくありません。
テレビ広告のように莫大な予算は不要で、一度失敗しても改善をくり返すことでよりよい施策を打てます。
動画マーケティングを支援している会社も多く、自社にノウハウがない場合でも取り組みやすい点もメリットです。
業績を伸ばして会社を成長させたいなら、導入を検討してみてください。