- WEBマーケティングにありがちな失敗例を教えて
- 失敗を回避できるWEBマーケティング施策が知りたい
- 大企業にはできない中小企業ならではの施策が知りたい
WEBマーケティングで失敗するパターンは、だいたい決まっています。
原因のほとんどが正しい知識と考え方を理解せずに、見切り発車しているからです。
よくある失敗例を知ることで、自社の施策が間違っていないか確認したい人もいるのではないでしょうか。
本記事では、WEBマーケティングで失敗する理由を11個解説します。
それぞれの対策方法も解説しているので、失敗する前に対策可能です。
この11パターンを回避できれば、失敗するリスクを大幅に減らせるでしょう。
自分の力で成果を出し会社を成長させたい人は、最後まで読んでみてください。
WEBマーケティングが失敗する11の理由
WEBマーケティングが失敗する主な理由は、以下の11個です。
- WEBマーケティングの目的やゴールがない
- ターゲットが不明確
- 経営者にWEBマーケティングの知見がない
- 大手の真似を考えている
- 短期的な結果だけを見ている
- 外注先に任せっきり
- 社内での優先順位が低い
- 自社WEBサイトが低品質
- SEO対策が不十分
- 施策が単発
- 施策の順序を間違えている
とくに経営者やプロジェクトの責任者など、決裁権を持つ人にWEBマーケティングの知識が不足している場合は高確率で失敗します。
11の失敗例を反面教師にして、自社のWEBマーケティングを成功に導きましょう。
記事後半では、失敗しないための対策も解説しています。
WEBマーケティングを行う目的やゴールが不透明なため失敗する
認知拡大なのか購入促進なのか、目的によってWEBマーケティングの施策は異なります。
なんとなくで施策を打っても、手間のわりに思うような成果が出ません。
とくに失敗しやすいのは、無料で手軽に始められるSNS運用です。
自社の理想とする状態を明確にし、ゴールから逆算して「施策ごとの目的」を立てる必要があります。
目的が定まっていないと、施策の成果を正確に測定できないからです。
自社が狙うターゲットが明確ではないため失敗する
ターゲット層があいまいだと、ユーザーニーズを絞り切れません。
思いつきでニーズとずれたキャッチコピーを作成した結果、誰にも刺さらないコンテンツができ上がります。
「新聞に若者向けの広告を打つ」など、自社ターゲットと媒体が一致していないケースもよくある失敗例です。
どんな層を狙うかが不明確だと、適切な媒体を選べません。
かといって媒体の種類を増やすと対策すべきキーワードが多くなり、広告費が無駄に増えます。
経営者にWEBマーケティングの知見がないため失敗する
経営者などの決裁権を持つ人に、WEBマーケティングの知見がないのも失敗する要因です。
【ノウハウが不足している企業によくある失敗例】
- 競合に勝てる要素がない商品で戦おうとする
- WEBでのニーズがない商品をWEBで売ろうとする
これから広めていきたい新商品や新サービスにもかかわらず、広告予算を出し渋り認知が取れないといった失敗も見受けられます。
データの分析・活用にもマーケティングの知見が必要で、ノウハウがないとPDCAを正しく回せません。
大手企業を真似ればいいと思っているため失敗する
そもそも資本力で劣る中小企業に、大企業と同じWEBマーケティングはできません。
【大企業を真似して失敗する理由】
- 予算や人員が限られているから
- 大企業ほどのブランド力がないから
大企業は全国放送のテレビCMを長期間流すなど、莫大な予算をかけて自社ブランドを確立しています。
うわべだけを真似して施策を打ったところで、成果が出るまで継続するのは難しいでしょう。
短期的な結果しか見ていないため失敗する
WEBマーケティングは検証と改善をくり返しながら、成果を出すものです。
短期間の結果だけで判断すると、順調なのに軌道修正してしまう恐れがあります。
【WEBマーケティング施策の成果が出るまでの期間】
- SEO対策:最低でも半年以上
- 広告配信:最低でも3ヵ月以上
リピート前提の商品に広告費をかけなかったりトレンドに左右されすぎたりするのも、WEBマーケティングが失敗する要因です。
外注先にすべて任せっきりのため失敗する
「WEBマーケティングは外注すればうまくいく」という考えが、失敗のもとです。
デジタルが苦手な経営者ほど、おいしい営業話に食いつく傾向があります。
そもそも外注先はWEBマーケティングのプロであって、自社の商材やサービスには詳しくありません。
自社商品の強みを活かした施策を打つためには、任せっきりにせずパートナーとして協力してもらうというスタンスが必要です。
WEBマーケティングに対する優先順位が低い
WEBマーケティングの重要性を社内で共有できないままスタートし、失敗するパターンもよく見受けられます。
【優先順位が低い企業の特徴】
- WEBマーケティングの専任者がいない
- 時間や予算などのリソースがない
WEBマーケティングの活用が当たり前となった時代に、他の業務と兼任しながら成果を出すのは難しいでしょう。
配置したWEBマーケティング担当者の権限が弱く、マーケティングにかける予算が少ない場合も高確率で失敗します。
効果的な施策を選べても実行できないため、機会損失を招くからです。
自社WEBサイトの品質が低いため失敗する
WEBマーケティングはWEBサイトやサービスを活用して、成果を出すのが基本戦略です。
肝心の自社サイトのクオリティが低ければ、失敗するのは当然でしょう。
サイトクオリティにはコンテンツの品質や、サイトの使い勝手も含まれます。
【成果につながりにくい(失敗しやすい)サイトの特徴】
- 更新頻度が低い
- デザインやコンテンツが古いまま
- ページ内の導線がわかりにくい
- 商品やお問い合わせフォームの場所がわかりにくい
- 使い勝手が悪い(ユーザーエクスペリエンスが悪い)
WEB上ではつねに新しい情報が求められることを、忘れてはいけません。
SEO対策が不十分なため失敗する
SEOはWEBマーケティングにおける重要な施策です。
どれだけ魅力的な広告を作っても、検索上位に表示されなければ閲覧されません。
【SEO対策の失敗例】
- コンテンツに魅力がない
- 目的とニーズが合っていない
- データの収集・分析が不足している
質より量を優先した低品質なコンテンツは、誰にも見られません。
まだ購買意欲がない段階のユーザーに自社商品を宣伝しても、離脱されるだけです。
また、データ分析をおろそかにすると、改善ポイントを見誤り失敗します。
単発の施策で終わっているため失敗する
WEBマーケティングはさまざまな施策を試し改善しながら、成果を上げていくものです。
【施策の同時進行例】
- SEOコンテンツを作る一方でSNSも運用する
- 広告を出稿しながらメルマガ配信も行う
失敗する理由は施策単体での成果を求めるあまり、費用対効果が合わなくなるからです。
1つの施策で複数の目的や役割を果たそうとして、本来狙っていた効果が出なくなります。
施策の順序を間違えているため失敗する
成約までの順序を無視した施策を打つのも、失敗する理由です。
「認知→興味→確信→行動(成約)」といったプロセスを設計し、各段階で最適な施策を打つのがWEBマーケティングの鉄則です。
WEBマーケティングを行う目的や自社ターゲットを明確にしなければ、成約までのプロセスを設計できません。
失敗しないためのWEBマーケティング施策11選
上記で解説した「WEBマーケティングが失敗する11の理由」をふまえ、対策方法を11個用意しました。
基本的には上記の失敗例と逆に考え行動すれば、改善が見込めるでしょう。
- 目的やゴールを最初に決める
- ターゲットを明確にする
- 決裁権者がWEBマーケティングを理解する
- 自社の規模や目的に合ったWEBマーケティングを行う
- 長期的な計画で結果を判断する
- 外注と自社で行う部分を区別する
- WEB担当者に適切な権限を与え予算をかける
- 自社サイトのクオリティを向上させる
- SEO対策をしっかり行う
- 複数の施策を長期的に打つ
- 成果が出やすい順番で施策を打つ
1つずつ具体的に解説します。
目的やゴール(最終目標)を最初に決める
WEBマーケティングを行う目的や最終ゴールを決めるには、「KGI」と「KPI」を設定する必要があります。
- KGI:組織の目標・最終ゴール(利益率・売上高・成約数など)
- KPI:各プロセスの達成度・中間目標(PV数・クリック数・CVRなど)
成功か失敗かの判断基準を明確にするため、具体的な数値で設定することが重要です。
WEBマーケティングにかける期間を決め、曖昧に続けるのを防ぎましょう。
ターゲットを明確にする
ターゲット像をより鮮明にした「ペルソナ(想定ユーザー)」を作成し、見込み客の心理状況を分析します。
【ペルソナ設定に入れる情報の例】
- 年齢
- 性別
- 職業
- 趣味
- 生活スタイル
- 悩みなど
見込み客の属性や行動特性を具現化することで、効果的な訴求を導き出せます。
WEBマーケティングで失敗しないためには、自社商品の価値とマッチするターゲット層に届けることが重要です。
決裁権を持つ人がWEBマーケティングを理解する
決裁権を持つ人が戦略立案や分析能力などWEBマーケティング全体の知識を身につけることで、失敗のリスクを大きく減らせます。
合理的に考えられるため、思いつきで施策を打ったりトレンドに振り回されたりしません。
戦略を立てる際は、以下のような「フレームワーク」と呼ばれる考え方を用います。
- AIDMA(注目・興味・欲求・記憶・成約)
- 3C(市場・競合・自社)
- SWOT(強み・弱み・機会・脅威)
- 4P(製品・価格・流通・販促)など
施策を実行したあとは、データを集計し分析します。
- 定量データ(数値化可能):WEBサイトへのアクセス数など
- 定性データ(数値化不可能):アンケート結果・口コミなど
自社の規模や目的に合ったWEBマーケティングを行う
大企業を真似せず中小企業の強みを活かした手法で戦うのも、WEBマーケティングで失敗しない方法です。
- ニッチなニーズに応える
- ターゲットを限定する
- リソースを集中させる
「限られたターゲットやニーズに予算や人材を全振りする」といった手法は、不特定多数をターゲットにする大企業には真似できません。
そもそもWEBマーケティングは対象者を絞りやすいため、中小企業のストロングポイントと相性がよいのです。
自社の見込み客だけに刺さるメッセージを発信することで、「自分のための商品(サービス)だ」と思ってもらえます。
長期的な計画で結果を判断する
WEBマーケティングは成果が出るまでに時間がかかる施策ほど、資産になりやすいのが特徴です。
打った施策が成功か失敗かを判断するためには、焦る気持ちを抑え辛抱しましょう。
- SEOの効果:半年~2年
- 広告配信の効果:3ヵ月~半年
コンテンツが検索エンジンにインデックス(登録)されるまでは順位が付かないため、自社サイトへの流入も増えません。
SEOより即効性があるとされるWEB広告でさえ、効果が出るまで3ヵ月以上かかります。
媒体選び・配信地域・対策キーワードなど、広告を出稿しながら改善していく必要があるからです。
外注する施策と自社で行う部分を区別する
「自社商品・サービスに関する発信」といった外注先より詳しい分野や、「施策の成果確認」などの必要作業は自社で行いましょう。
設定変更や確認業務まで依頼すると、無駄な費用と時間が発生します。
【自社で行う範囲】
- オウンドメディア内ブログ記事の更新
- 新商品(サービス)のリリース情報更新
- 広告などの成果レポートの確認
失敗を避けるためには、自社でできることは積極的に自分たちでやることが重要です。
外注することで得られるWEBマーケティングの知見を、自社に取り入れるいい機会でもあります。
WEB担当者に適切な権限を与え予算をかける
有効な施策を導き出したら、十分な人員と予算をかけて実行体制を整えましょう。
とくに、ブログ記事や動画コンテンツの制作には、十分なリソースを割く必要があります。
決めた担当者に適切な権限を持たせ、すぐに結果が出なくても見守るのが失敗を防ぐポイントです。
必要な予算をしっかりとかけ、担当者がWEBマーケティングに専念できる環境を作りましょう。
自社サイトのクオリティを向上させる
WEBサイト運用はWEBマーケティングの基盤であり、集客の受け皿でもあります。
ツールを使ってデータを収集・分析し、改善点を特定することが重要です。
- セッション数が少ない・短い→コンテンツの質や量の改善
- コンバージョンが少ない→ユーザビリティ改善など
コンテンツを改善してもすぐに成果は出ませんが、ユーザビリティの改善は即効性が期待できます。
失敗例と逆にサイトの使い勝手を向上させたり、ファーストビューに問い合わせフォームへの導線(CTA)を設置したりして、ユーザーの行動(成約)を促しましょう。
SEO対策をしっかり行う
SEO対策は、少ない費用で成果を狙えるWEBマーケティング施策です。
- 適切なキーワードを選定する
- タイトルや記事内に適度に含める
- ユーザーニーズを捉えたコンテンツを作る
- 内部リンクを整備する・被リンクを獲得するなど
検索エンジンに上位表示させることで自社のWEBサイトが見つかりやすくなり、流入数アップが見込めます。
さらに、自社商品やサービスに関連するキーワードで上位表示されれば、顕在層だけでなく潜在層(将来の見込み客)の獲得も可能です。
複数の施策を長期的に打つ
WEBマーケティングの施策は、1つではありません。
- WEBサイト最適化
- SEO対策
- SNS運用
- 広告運用
- コンテンツマーケティングなど
失敗しないためには、複数の施策をまんべんなく活用することが重要です。
単体で施策を打つより組み合わせたほうが、効果を最大化させられます。
ただし、どの施策も3ヵ月以上は継続しないと、正確な効果を測定できません。
成果が出やすい順番で施策を行う
WEBマーケティングでは施策を打つ順番によって、成果に差が出ます。
自社の現状とマッチした施策を選択しましょう。
- 費用対効果のよいものから始める
- 認知・成約・関係強化などの目的で優先順位を決める
自社にとって効果的な施策の中で、基本的なものからはじめるとよいでしょう。
効果が高いからといきなり高難度の施策に手を出すのは、失敗するリスクを高めます。
WEBマーケティングの目的やターゲットを明確にしたうえで、認知から成約までの段階に応じた施策を打つことが重要です。
WEBマーケティングで失敗しないために知識を身につけよう
WEBマーケティングに正解はなく、他社の成功例が自社に当てはまるとも限りません。
大手企業の成功例に至っては、ほぼ再現性がないと思ったほうがよいでしょう。
ただし、失敗するポイントは、どの企業もだいたい同じです。
本記事で取り上げた11個の失敗例を反面教師とし、自社のWEBマーケティングを成功に導きましょう。