運営ノウハウ

【2026年版】民泊の初期費用はいくら?物件タイプ別の費用内訳と節約術

「民泊を始めるのにいくらかかるの?」「100万円は必要?」「できるだけ安く始めたい」

民泊の初期費用は、物件タイプと運営スタイルによって5万円〜300万円以上と大きな幅があります。自宅の空き部屋を活用すれば5万円程度から始められる一方、賃貸物件を新たに借りる場合は50〜150万円、物件を購入する場合は数百万円以上の投資が必要です。

しかし、初期費用の額だけで判断するのは危険です。大切なのは「投資に対してどれだけのリターンが得られるか」です。初期費用が高くても、立地が良ければ半年で回収できるケースもありますし、初期費用を抑えても、需要のないエリアでは回収に何年もかかることがあります。

この記事では、民泊の初期費用を項目別・物件タイプ別に詳しく解説し、費用を抑える具体的な節約術もご紹介します。これを読めば、あなたの状況に合った予算計画が立てられるようになります。

民泊の初期費用一覧|6つのカテゴリ別に解説

民泊を始めるために必要な費用は、大きく分けて以下の6カテゴリに分類できます。それぞれ詳しく見ていきましょう。

1. 物件取得費

民泊の初期費用の中で最も大きな割合を占めるのが物件取得費です。自宅を活用する場合はゼロですが、賃貸の場合は家賃の3〜6ヶ月分(敷金・礼金・前家賃・仲介手数料)が必要になります。

例えば、東京23区で家賃15万円の1LDKを借りる場合の初期費用は以下の通りです。

項目 金額
敷金(1ヶ月) 15万円
礼金(1ヶ月) 15万円
前家賃(1ヶ月) 15万円
仲介手数料(1ヶ月) 15万円
火災保険料 2万円
鍵交換費用 2万円
合計 約64万円

賃貸の場合、物件取得費だけで60万円前後かかるのが現実です。この費用を抑えるには、敷金・礼金ゼロの物件を探す、仲介手数料が安い不動産会社を利用する、家賃の安いエリアを選ぶなどの方法があります。

物件を購入する場合は、物件価格に加えて仲介手数料(物件価格の3%+6万円)、登記費用、不動産取得税などの諸費用がかかります。ワンルームマンションでも300万円〜、戸建てなら1,000万円以上の投資になることが一般的です。

2. 届出・許可関連費用

項目 民泊新法(届出) 旅館業法(許可)
申請手数料 無料 約2万円
住民票・登記事項証明書 数百円〜数千円 数百円〜数千円
消防法令適合通知書 無料(設備費は別途) 無料(設備費は別途)
行政書士への依頼(任意) 5〜15万円 15〜30万円
建築確認申請(旅館業の場合) 不要 数十万円(用途変更時)

民泊新法の届出自体は無料で、自分で手続きすれば書類の取得費用だけで済みます。行政書士に依頼する場合は5〜15万円が相場ですが、書類の不備による差し戻しを防げるため、時間の節約になります。旅館業法の許可は手続きが複雑なため、行政書士への依頼が一般的で、15〜30万円かかります。

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3. 消防設備費用

民泊を始めるには消防法令に適合する必要があり、物件の種類によって必要な消防設備が異なります。

物件タイプ 必要な設備の例 費用目安
戸建て(家主居住型) 住宅用火災警報器のみで済む場合も 0〜3万円
戸建て(家主不在型) 自動火災報知設備、誘導灯、消火器 10〜50万円
マンションの一室 建物全体の設備による 0〜20万円
大規模施設(旅館業) 自動火災報知設備、スプリンクラー等 50〜100万円以上

家主居住型(自宅の一部を民泊にする場合)は既存の火災警報器で済むケースが多く、追加費用がほぼかからないこともあります。一方、家主不在型で延べ面積が大きい場合は自動火災報知設備の設置が求められ、数十万円の費用がかかります。消防署への事前相談は無料ですので、物件を決める前に必ず相談しましょう。

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4. 家具・家電費用

ゲストが快適に過ごすために必要な家具・家電の費用です。すべて新品で揃えた場合の目安を以下に示します。

アイテム 費用目安(新品) 必須度
ベッド・マットレス(ダブル) 3〜10万円 必須
寝具一式(布団・枕・シーツ) 1〜3万円 必須
テーブル・椅子 1〜5万円 必須
エアコン 5〜15万円(設置済みなら0円) 必須
冷蔵庫 2〜5万円 必須
電子レンジ 0.5〜2万円 必須
洗濯機 2〜5万円 必須
掃除機 0.5〜3万円 必須
調理器具・食器一式 1〜3万円 必須
Wi-Fiルーター 0.5〜1万円 必須
テレビ 2〜5万円 推奨
ドライヤー 0.3〜1万円 推奨
アイロン・アイロン台 0.3〜0.5万円 あると良い
収納棚・ハンガーラック 0.5〜2万円 推奨
合計目安 20〜60万円

自宅の空き部屋を活用する場合は、既存の家具・家電を使えるため、追加購入は最小限で済みます。賃貸物件でもエアコンや照明が設置済みの場合は、その分を節約できます。

家具・家電の選び方のポイントは、耐久性と清掃のしやすさです。デザイン性も大切ですが、頻繁にゲストが入れ替わるため、汚れやすい素材や壊れやすい家具は避けましょう。白を基調としたシンプルな家具は写真映えもよく、清潔感も出るためおすすめです。

5. 備品・消耗品費用

タオル、シーツ、シャンプー、トイレットペーパーなどの備品は、初回のまとめ買いで3〜8万円程度です。具体的な内訳を見てみましょう。

アイテム 数量目安(定員4名) 費用目安
バスタオル 8枚(1人2枚×4名) 0.8〜1.6万円
フェイスタオル 8枚 0.4〜0.8万円
シーツ・枕カバー 2セット(洗い替え含む) 0.5〜1万円
シャンプー等 各2本 0.3〜0.5万円
歯ブラシセット 20セット 0.2万円
トイレットペーパー・ティッシュ 各10個 0.1万円
ゴミ袋・洗剤類 各1セット 0.15万円
スリッパ 6足 0.3〜0.6万円
合計目安 3〜5万円

消耗品は毎月のランニングコストにもなりますが、月額で見ると5,000〜15,000円程度です。アメニティのクオリティはレビュー評価に直結するため、安すぎるものは避けましょう。ホテルのように個包装のアメニティを用意すると、ゲストの印象が格段に良くなります。コストコやAmazonでまとめ買いすれば単価を抑えられます。

6. 写真撮影・リスティング作成費用

プロカメラマンによる物件撮影は2〜5万円が相場です。撮影枚数は20〜50枚程度で、リビング、寝室、キッチン、バスルーム、外観、周辺環境などを撮影します。

写真のクオリティは予約率に直結します。Airbnbの公式データでも、プロ撮影の物件は予約率が20〜40%高いという結果が出ています。2〜5万円の投資で予約率が20%上がるなら、ほぼ確実に元が取れる計算です。

初期費用を節約するためにスマートフォンで自分で撮影する方も多いですが、もし予約が伸び悩んだ場合は、最初に検討すべき改善策がプロ撮影です。自分で撮影する場合のポイントは、晴れた日の午前中に自然光で撮る、スマホの広角レンズを使う、部屋を徹底的に片付けてから撮る、の3つです。

物件タイプ別の初期費用まとめ

ここまでの項目別費用を、物件タイプ別にまとめます。

費用項目 自宅の空き部屋 賃貸物件 物件購入
物件取得費 0円 40〜80万円 300万円〜
届出関連費用 0〜15万円 0〜15万円 0〜30万円
消防設備 0〜3万円 5〜30万円 10〜50万円
家具・家電 5〜15万円 20〜60万円 20〜60万円
備品・消耗品 3〜5万円 3〜8万円 3〜8万円
写真撮影 0〜3万円 2〜5万円 2〜5万円
合計 8〜40万円 70〜200万円 350万円〜

毎月のランニングコストも把握しておこう

初期費用だけでなく、毎月のランニングコストも事前に把握しておくことが重要です。「初期費用は回収できたけど、毎月赤字」では意味がありません。

項目 月額目安(1LDK・賃貸の場合)
家賃 10〜20万円
水道光熱費 1〜2万円
Wi-Fi回線 0.4〜0.5万円
清掃費(1回3,000〜5,000円×月10回) 3〜5万円
消耗品補充 0.5〜1.5万円
OTA手数料(売上の3〜15%) 1〜5万円
運営代行手数料(利用する場合) 売上の10〜20%
保険料 0.3〜1万円
合計(代行なし) 16〜35万円

ランニングコストが月16〜35万円かかるということは、最低でもそれ以上の売上がないと赤字になります。観光需要の高い新宿・渋谷・浅草エリアの1LDKであれば月間売上30〜50万円が期待できますが、需要の少ない郊外では月15万円程度にとどまるケースもあります。エリアの需要と物件の収益性を事前にシミュレーションしておくことが非常に重要です。

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初期費用を抑える5つの節約術

1. 自宅の空き部屋から始める

最も効果的な節約法は、物件取得費をゼロにすることです。自宅の空き部屋や使っていない部屋を民泊にすれば、初期費用を大幅に削減できます。家主居住型なら管理業者への委託も不要で、ランニングコストも抑えられます。まずは自宅で運営を経験し、ノウハウを蓄積してから本格的な投資に進むのが堅実な方法です。

2. 家具・家電は中古品やサブスクを活用

新品にこだわらなければ、リサイクルショップやメルカリで家具・家電を揃えることで費用を半額以下にできます。特にテーブル、椅子、収納棚、テレビなどは中古品でも十分です。また、家具のサブスクリプションサービス(CLAS、subsclife、airRoomなど)を利用すれば、初期費用を月額料金に分散させることも可能です。民泊の運営がうまくいかなかった場合の撤退リスクも軽減できます。

ただし、ベッドマットレスとリネン類(シーツ、タオル)は必ず新品を購入しましょう。衛生面はゲストが最も気にするポイントであり、レビュー評価に直結します。

3. 届出手続きは自分で行う

民泊新法の届出は、行政書士に頼まなくても自分で行えます。オンラインでの届出も可能で、必要書類さえ揃えれば手続き自体は難しくありません。自治体の窓口に事前相談すれば、必要書類や記載方法を丁寧に教えてもらえます。これだけで5〜15万円の節約になります。ただし、旅館業法の許可申請は複雑なため、行政書士への依頼をおすすめします。

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4. 写真はまず自分で撮影し、後からプロに依頼

予算が限られる場合は、まず自分で撮影して運営を開始し、売上が安定してきたらプロカメラマンに依頼するという段階的なアプローチが有効です。自分で撮影する場合は、晴れた日の午前10時〜14時頃の自然光が入る時間帯がベストです。部屋を徹底的に片付け、生活感のあるものを排除し、照明をすべて点けた状態で撮影しましょう。

5. 消防設備は複数業者から見積もりを取る

消防設備の設置費用は業者によって大きく異なります。同じ設備でも業者によって2倍以上の価格差があることも珍しくありません。必ず3社以上から見積もりを取り、比較検討しましょう。消防署の検査に通ることが目的なので、過剰な設備を提案する業者には注意が必要です。消防署で必要な設備を確認した上で、その内容に絞って見積もりを依頼するのが賢い方法です。

初期費用の回収期間はどのくらい?

初期費用の回収期間は、エリアと運営方法によって大きく異なります。主要なパターン別の目安は以下の通りです。

パターン 初期費用 月間売上 月間経費 月間利益 回収期間
自宅の空き部屋(都内) 20万円 15〜25万円 3〜5万円 10〜20万円 1〜2ヶ月
賃貸1LDK(新宿区) 120万円 30〜50万円 20〜30万円 5〜20万円 6〜24ヶ月
賃貸1LDK(郊外) 80万円 15〜25万円 12〜18万円 3〜7万円 12〜27ヶ月
物件購入(ワンルーム) 500万円 20〜35万円 8〜15万円 10〜20万円 2〜4年

自宅活用なら1〜2ヶ月で回収できるケースが多い一方、物件購入は長期的な投資判断が必要です。上記はあくまで目安であり、季節変動やエリアの需要によって大きく変わります。特に民泊新法(180日制限)の場合は、閑散期に営業日数を使い切ってしまい、繁忙期に営業できないという事態を避けるための戦略的な日数管理が求められます。投資前に必ず収支シミュレーションを行い、悲観的なシナリオでも赤字にならないかを確認しましょう。

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初期費用に関するよくある質問

Q. 初期費用ゼロで民泊を始める方法はありますか?

完全にゼロは難しいですが、自宅の空き部屋を活用し、既存の家具を使い、届出を自分で行い、写真もスマートフォンで撮影すれば、消耗品代の数万円だけで始めることは可能です。ただし、最低限の備品とアメニティは揃える必要があります。まずは小さくスタートし、売上が出てから設備を充実させていく方法が現実的です。

Q. 融資を受けて民泊を始めることは可能ですか?

日本政策金融公庫の創業融資や、銀行の事業性ローンを活用できる場合があります。事業計画書を作成し、収支シミュレーションで返済可能であることを示す必要があります。ただし、民泊新法(年間180日制限)の場合は収益性の面で融資審査が厳しくなる傾向があります。旅館業法の許可を取得して365日営業する計画の方が、融資は受けやすいです。

Q. 初期費用を確定申告で経費にできますか?

はい、民泊事業に直接関連する初期費用は経費として計上できます。10万円未満の家具・備品は消耗品費として一括計上、10万円以上の家具・家電は減価償却費として耐用年数に応じて按分します。届出費用、行政書士費用、写真撮影費なども経費計上可能です。適切に経費計上すれば、初年度の所得税を大幅に抑えられる可能性があります。

👉 民泊の確定申告ガイドはこちら

Q. 民泊保険の費用はどのくらいですか?

民泊専用の保険は、年間1〜5万円程度が相場です。ゲストの怪我や物件の破損、近隣への損害賠償などをカバーします。一般的な火災保険では民泊利用をカバーしない場合があるため、民泊専用の保険に加入することをおすすめします。万が一のトラブルで数百万円の賠償責任が発生するリスクを考えると、保険は必要経費と言えます。

まとめ

民泊の初期費用は物件タイプによって大きく異なります。自宅の空き部屋なら8〜40万円、賃貸なら70〜200万円、物件購入なら350万円以上が目安です。

費用を抑えるポイントは、自宅活用、中古家具の活用、届出の自力対応、消防設備の相見積もりの4つです。ただし、ベッドマットレス・リネン・写真のクオリティなど、ゲスト満足度に直結する部分への投資は惜しまないようにしましょう。

大切なのは、初期費用の額ではなく「投資対効果」です。まずは小さく始めて運営を経験し、手応えを感じてから投資を拡大していくのが堅実な方法です。

👉 民泊の始め方ガイドはこちら

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