法律・届出

【2026年版】民泊の開業届・届出の出し方|必要書類チェックリスト付き

「民泊の開業届ってどこに出すの?」「開業届と民泊の届出は別物?」「必要な書類を一覧で知りたい」

民泊を始める際に必要な届出は2種類あります。税務署に出す「開業届」と、自治体に出す「民泊の届出(住宅宿泊事業届出)」です。この2つを混同している方が非常に多いですが、目的も提出先もまったく異なります。

開業届を出さないと青色申告ができず、節税の大きなチャンスを逃してしまいます。民泊の届出を出さないと、そもそも合法的に営業できません。どちらも重要な手続きですので、この記事で違いと手順を正しく理解しましょう。

「開業届」と「民泊の届出」の違い

項目 開業届(税務署) 民泊の届出(自治体)
正式名称 個人事業の開業・廃業等届出書 住宅宿泊事業届出書
目的 個人事業主として税務上の届出 民泊を合法的に営業するための届出
提出先 所轄の税務署 都道府県または政令市・中核市
義務 事業開始から1ヶ月以内(推奨) 営業開始前に必須
費用 無料 無料
罰則 出さなくても罰則なし 無届け営業は100万円以下の罰金
オンライン対応 e-Taxで可能 民泊制度運営システムで可能

まとめると、開業届は「節税のために出すもの」、民泊の届出は「合法営業のために出すもの」です。どちらも無料で手続きできますので、両方とも忘れずに提出しましょう。

開業届の出し方(税務署)

開業届とは?

開業届は、個人事業を開始したことを税務署に届け出るための書類です。正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」です。開業届を提出すると、税務署に個人事業主として登録され、確定申告の際に事業所得として申告できるようになります。

開業届を出さなくても罰則はありませんが、青色申告の申請に必須です。青色申告ができないと最大65万円の特別控除が受けられないため、節税の面で非常に不利になります。民泊で年間数十万円以上の所得がある場合、65万円の控除は約13万円(税率20%の場合)の節税になりますので、開業届は必ず提出しましょう。

必要書類

  • 個人事業の開業・廃業等届出書(税務署で入手またはe-Taxでダウンロード)
  • 青色申告承認申請書(青色申告を希望する場合、同時に提出がおすすめ)
  • マイナンバーカードまたは通知カード+本人確認書類

開業届の記入方法

開業届の主な記入項目と、民泊の場合の書き方は以下の通りです。

記入項目 民泊の場合の記入例
届出の区分 「開業」にチェック
職業 住宅宿泊事業(または民泊事業)
屋号 任意(物件名やブランド名など)
届出の理由 「開業」にチェック
開業日 民泊の届出が受理された日(または運営開始日)
事業の概要 住宅宿泊事業法に基づく住宅宿泊事業の運営
青色申告の承認申請 「有」にチェック(同時提出の場合)

「屋号」欄は任意ですが、記入しておくと事業用の銀行口座を開設する際にスムーズです。物件名(例:「SAKURA HOUSE SHINJUKU」)やブランド名を記載しておくと、事業感が出てゲストからの信頼にもつながります。

提出方法(3つの方法)

方法1:税務署の窓口に持参

最も確実な方法です。書類を持参すれば、その場で受付印を押してもらえます。控えも忘れずに持参しましょう。受付印が押された控えは、銀行口座の開設や融資の申請時に必要になることがあります。

方法2:郵送

返信用封筒(切手貼付済み)と控えを同封して郵送します。1〜2週間で受付印が押された控えが返送されます。税務署に行く時間がない方におすすめです。

方法3:e-Tax(オンライン)

マイナンバーカードとICカードリーダー(またはスマートフォン)があれば、自宅からオンラインで提出できます。24時間対応で、即座に受理されます。最も手軽な方法です。

提出期限

事業開始日から1ヶ月以内に提出するのが原則です。ただし、遅れても罰則はありません。

重要なのは青色申告承認申請書の提出期限です。開業日から2ヶ月以内(1月1日〜1月15日に開業した場合は3月15日まで)に提出する必要があります。この期限を過ぎると、その年は青色申告ができません。開業届と同時に提出するのが最も確実です。

民泊の届出の出し方(自治体)

民泊の届出は、住宅宿泊事業法に基づいて、物件の所在地を管轄する自治体に提出します。この届出が受理されないと、合法的に民泊を営業することはできません。

届出先

届出先は物件の所在地によって異なります。

  • 東京23区:各区の保健所
  • 政令指定都市:市の担当部署
  • 中核市:市の担当部署
  • その他:都道府県の担当部署

届出先が分からない場合は、「○○区 民泊 届出」「○○市 住宅宿泊事業 届出」でWeb検索すると、担当窓口の情報が見つかります。

届出の流れ|6ステップ

  1. 事前相談:管轄の自治体窓口に相談し、上乗せ条例の有無と営業可能な条件を確認
  2. 消防署への相談:物件の間取り図を持参し、必要な消防設備を確認
  3. 消防設備の設置・検査:必要な設備を設置し、消防法令適合通知書を取得
  4. 必要書類の準備:下記のチェックリストを参照
  5. 届出書類の提出:窓口またはオンラインで提出
  6. 届出番号の交付・営業開始:届出受理後に届出番号が付与される

スムーズに進めば2週間〜1ヶ月で届出番号が交付されます。ただし、書類の不備があると差し戻しになり、さらに時間がかかります。事前相談で必要書類を確認し、不備のないように準備しましょう。

👉 届出手続きの詳しい解説はこちら

オンライン届出の手順

民泊の届出は「民泊制度運営システム」からオンラインで行えます。

  1. 民泊制度運営システム(https://www.minto.or.jp/)にアクセスし、アカウントを作成
  2. ログインし、「届出を行う」を選択
  3. 物件情報(所在地、構造、面積など)を入力
  4. 届出者情報(氏名、住所、連絡先など)を入力
  5. 必要書類をPDFでアップロード
  6. 内容を確認して送信
  7. 自治体による確認後、届出番号が交付される

オンライン申請にはマイナンバーカードによる電子署名が必要です。マイナンバーカードがない場合は、窓口での書面提出になります。オンライン申請の方が処理が早いケースもあるため、マイナンバーカードをお持ちの方はオンラインがおすすめです。

必要書類チェックリスト

開業届関連(税務署)

  • ☐ 個人事業の開業・廃業等届出書
  • ☐ 青色申告承認申請書(任意だが強く推奨)
  • ☐ マイナンバーカードまたは通知カード
  • ☐ 本人確認書類(運転免許証等)
  • ☐ 届出書の控え(受付印をもらうため)

民泊届出関連(自治体)|個人の場合

  • ☐ 住宅宿泊事業届出書
  • ☐ 住民票の写し(本籍地記載・マイナンバー記載なし)
  • ☐ 欠格事由に該当しない旨の誓約書
  • ☐ 届出住宅の図面(間取り図・各室の面積記載)
  • ☐ 住宅の登記事項証明書(法務局で取得)
  • ☐ 消防法令適合通知書(消防署で取得)

追加書類(該当する場合)

  • ☐ 転貸承諾書(賃貸物件の場合)
  • ☐ 管理規約の写し(マンションの場合)
  • ☐ 管理組合の確認書(マンションの場合)
  • ☐ 住宅宿泊管理業者との契約書の写し(家主不在型の場合)
  • ☐ 法人の登記事項証明書(法人の場合)
  • ☐ 役員全員の住民票(法人の場合)

届出にかかる費用の総まとめ

開業届と民泊届出それぞれにかかる費用をまとめます。

手続き 費用項目 金額
開業届(税務署) 届出書の提出 無料
青色申告承認申請書の提出 無料
民泊届出(自治体) 届出手数料 無料
住民票の写し 300円程度
登記事項証明書 600円程度
消防設備の設置 0〜50万円(物件による)
行政書士への依頼(任意) 5〜15万円

開業届は完全に無料です。民泊届出も届出自体は無料ですが、消防設備の設置費用が物件によって大きく異なります。家主居住型で既存の火災警報器がある場合は追加費用ゼロで済むこともありますが、家主不在型では10〜50万円程度かかることもあります。

行政書士への依頼は任意ですが、書類の不備による差し戻しを防げるため、特に初めての方には検討をおすすめします。民泊新法の届出であれば5〜15万円が相場です。

👉 民泊の初期費用の詳細はこちら

届出完了後にやるべきこと

届出番号が交付されたら、営業開始に向けて以下の準備を進めましょう。

1. 標識の掲示

届出番号を記載した標識を、施設の公衆の見やすい場所に掲示する義務があります。標識の様式は自治体が指定しているケースが多いです。玄関や郵便受けの近くに掲示するのが一般的です。

2. OTAへの掲載

Airbnb、Booking.comなどのOTAに物件を掲載します。掲載時には届出番号の入力が求められます。リスティング(物件ページ)の作成は予約数を左右する最も重要なステップですので、写真と説明文にこだわりましょう。

3. 定期報告の準備

民泊新法では、2ヶ月ごとに宿泊日数・宿泊者数などを自治体に報告する義務があります。報告対象期間は偶数月の15日が期限です(例:2〜3月分は4月15日まで)。民泊制度運営システムからオンラインで報告できます。報告漏れは30万円以下の罰金の対象となるため、カレンダーにリマインダーを設定しておくことを強くおすすめします。

4. 宿泊者名簿の準備

宿泊者の氏名、住所、職業、国籍(外国人の場合はパスポート番号)を記録する名簿を作成・保管する義務があります。保管期間は3年間です。Excelやスプレッドシートで管理するのが簡単です。チェックイン時にゲストに記入してもらうフォームを用意しておきましょう。

届出でよくある失敗と対策

失敗1:消防法令適合通知書を取得せずに届出しようとする

消防法令適合通知書は届出に必須の書類ですが、取得に2〜4週間かかることがあります。届出の直前になってから消防署に相談する方が多いですが、これでは間に合いません。物件を決めた段階で早めに消防署に相談しましょう。

失敗2:マンションの管理規約を確認しない

管理規約で民泊が禁止されている場合、すべての準備が無駄になります。物件を契約する前に必ず確認してください。管理規約に民泊に関する記載がない場合は、管理組合に「民泊を禁止する意思がないこと」の確認書をもらう必要があります。

失敗3:開業届と青色申告承認申請書を同時に出さない

開業届だけ出して青色申告承認申請書を出し忘れるケースがあります。青色申告承認申請書の期限(開業日から2ヶ月以内)を過ぎると、その年は白色申告しかできません。開業届と同時に提出するのが最も安全です。

失敗4:届出番号を取得する前にOTAに掲載する

届出番号なしでAirbnbやBooking.comに掲載することは法律違反です。Airbnb側でも届出番号の入力が必須となっているため、番号がないとそもそも掲載できません。必ず届出が受理されてから掲載手続きを行ってください。

よくある質問

Q. 開業届を出さずに民泊を始めてもいい?

法律上、開業届を出さなくても罰則はありません。ただし、開業届を出さないと青色申告ができず、最大65万円の控除を受けられません。民泊の所得が年間20万円を超える場合は、開業届を出して青色申告することで大幅な節税が可能です。

Q. 副業の場合も開業届は必要?

副業でも開業届を出すことは可能です。事業所得として申告したい場合は開業届が必要です。雑所得として申告する場合は不要ですが、その場合は青色申告の控除が受けられません。副業でも一定の規模で継続的に運営しているなら、開業届を出して事業所得として申告することを検討しましょう。

Q. 開業届と民泊の届出はどちらを先に出すべき?

順序に厳密な決まりはありませんが、実務的には民泊の届出を先に進めるのがおすすめです。消防設備の設置や書類の準備に時間がかかるため、民泊の届出準備を先に始め、届出番号が交付された段階で開業届を提出するのがスムーズです。

まとめ

民泊を始めるには、税務署への開業届と自治体への民泊届出の2つの手続きが必要です。開業届は青色申告による最大65万円の節税のために、民泊届出は合法営業のために、それぞれ確実に手続きを行いましょう。

上記のチェックリストを活用して、漏れのない準備を進めてください。書類の準備から届出完了まで、余裕を持って1〜2ヶ月のスケジュールで計画的に進めることをおすすめします。

👉 民泊の始め方ガイドはこちら

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