INDUSTRY NEWS

2026年09月07日 ニュース

京都市、民泊規制強化の素案を公表。全施設に従業員の常駐義務、住居専用地域と工業地域は「ゼロ日規制」を検討。2027年2月市会へ

京都市は8月31日の有識者会議で民泊規制強化策の素案を示し、2027年2月市会への条例改正案の提案を目指すことを明らかにしました。もともと全国で最も厳しいとされる京都市の規制が、さらに一段強くなります。

この記事の要点

  1. 簡易宿所を含む全施設で従業員の常駐を義務化
  2. 住居専用地域と工業地域は営業日数の上限を0日とする「ゼロ日規制」を検討(事実上の新規禁止)
  3. 袋路(前面道路1.5m未満)の立地規制と長屋の界壁の遮音規定を追加。学校周辺を理由とした規制はしない

素案の内容

項目 現行 素案
住居専用地域の営業日数 年間約60日(1〜3月のみ等) 0日(ゼロ日規制)を検討
工業地域 制限なし(用途地域上は可) 0日を検討
従業員の常駐 800m以内に管理者・10分以内の駆けつけ 全施設で常駐を義務化(簡易宿所含む)
袋路の立地 簡易宿所のみ規制 届出住宅も同様に規制
長屋の界壁 規定なし 遮音性能の規定を新設

数字で見る京都市の民泊

7%市内客室数に占める民泊の割合
74%2018〜25年度の苦情全体に占める民泊の割合
84%無作為抽出の市民のうち「規制強化すべき」

市内の宿泊施設は2025年度末で旅館・ホテル641施設(42,554室)、簡易宿所(民泊相当)2,420施設(2,924室)、住宅宿泊事業1,216施設。客室数では民泊は7%程度ですが、苦情の74%を占めるというデータが規制の根拠になっています。一方、観光客339人への調査では67%が民泊に良い印象を持っており、需要側と住民側の温度差が鮮明です。

今後のスケジュール

2026年1月29日松井市長が規制強化方針を発表
2026年4月専門チーム増員、抜き打ち調査強化、定期報告の厳格運用
2026年8月31日有識者会議で素案を公表
2027年2月市会に条例改正案を提案(目標)

オーナー様が今やること

  • 京都市内の物件は用途地域を確認する。住居専用・工業地域なら新規は見送りが安全
  • 既存施設は「常駐」を満たせる体制(管理業者への委託を含む)を検討する
  • 2か月に1回の定期報告を確実に出す(未提出は業務停止・過料の対象)
  • 袋路・長屋の物件は、改正後に営業できるか早めに市へ確認する

出典:TRAICY

KYAKUDENの見解 ── オーナー様への影響

京都市はもともと住居専用地域で年約60日でしたが、素案どおりなら0日です。京都で住居専用地域の物件を検討している方は、簡易宿所への切り替えか商業系地域の物件に絞るのが現実的。既存オーナーは「常駐義務」がどこまで求められるか(管理業者委託で足りるか)が最大の論点なので、2027年2月の条例案まで続報を追います。

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この記事の監修者住宅宿泊管理業者 国土交通大臣(01)第F06301号
萩原 一博
萩原 一博Kazuhiro Hagiwara
株式会社ADrim 客殿事業部 監修・住宅宿泊管理業務責任者
宅地建物取引士マンション管理士管理業務主任者行政書士AFP(日本FP協会認定)

大手資格学校での宅建講師の経験あり。不動産・マンション管理・許認可・資金計画の4分野の国家資格・認定資格を横断し、民泊の届出から管理規約・近隣調整・収支設計までを一体で監修。

当社は国土交通大臣登録の住宅宿泊管理業者として自社物件を運営しています。記事の内容は公開情報と実務経験に基づき、法令・条例は各自治体の公式資料で確認しています。運営代行会社として利害関係があるため、他社との比較では順位付けを行わず、公開情報のみを同じ軸で掲載しています。