民泊運営には、火災、盗難、ゲストの怪我、設備の破損など様々なリスクが伴います。これらのリスクに備える民泊保険は、安定した運営に欠かせません。本記事では、民泊保険の種類・選び方から、主要な保険商品の比較まで、保険選びに必要な情報を網羅的に解説します。
民泊に保険が必要な理由
民泊運営では、一般的な賃貸住宅や持ち家とは異なるリスクが発生します。なぜ通常の火災保険だけでは不十分なのか、民泊特有のリスクについて理解しましょう。
民泊特有のリスク
民泊では不特定多数のゲストが入れ替わり滞在するため、以下のようなリスクが高まります。
| リスクの種類 | 具体例 | 想定される損害額 |
|---|---|---|
| 設備・備品の破損 | 家具の破損、家電の故障、壁の穴 | 数万円〜数十万円 |
| 火災・水漏れ | 調理中の火災、水回りのトラブル | 数十万円〜数百万円 |
| 盗難 | ゲストによる備品の持ち出し | 数万円〜数十万円 |
| 賠償責任 | ゲストの怪我、近隣への損害 | 数十万円〜数億円 |
| 営業補償 | 事故による休業損失 | 数十万円〜 |
⚠️ 通常の火災保険では補償されない
一般的な住宅用火災保険は「住居として使用する場合」を前提としています。民泊として営業利用している物件で事故が発生した場合、保険金が支払われない可能性があります。必ず民泊対応の保険に加入しましょう。
Airbnbの補償制度だけでは不十分
AirbnbにはホストをサポートするAirCover(ホスト保証)があり、最大1億円の補償が受けられます。しかし、以下の点で不十分です。
- Airbnb経由の予約のみが対象(Booking.com等は対象外)
- 審査が厳しく、補償を受けられないケースも
- 盗難や一部の損害は補償対象外
- 近隣住民への賠償は限定的
複数のOTAを利用している場合や、直接予約を受け付けている場合は、必ず別途保険に加入しましょう。
民泊保険の種類
民泊向けの保険には複数の種類があります。それぞれの特徴を理解し、自分の運営形態に合った保険を選びましょう。
①施設賠償責任保険
施設の欠陥や管理不備によってゲストや第三者に損害を与えた場合に補償される保険です。民泊運営において最も重要な保険といえます。
補償される例
- 階段から転落してゲストが骨折した
- 漏水で下階の住人の家財を損傷した
- ベランダから物が落下して通行人が怪我した
②火災保険(民泊特約付き)
火災、落雷、破裂・爆発、風災、水災などによる建物・家財の損害を補償します。民泊利用を告知し、民泊特約を付帯することで、営業利用中の事故もカバーできます。
③動産総合保険
民泊施設内の家具、家電、備品などの動産に対する損害を補償します。ゲストによる破損や盗難にも対応できる商品が多いのが特徴です。
④営業継続費用保険
事故や災害により営業が中断した場合の休業損失を補償します。火災で修繕期間中に受け入れられなくなった場合などに、得られたはずの収益が補償されます。
⑤包括型の民泊保険
上記の補償を1つのパッケージにまとめた民泊専用の保険商品です。複数の保険に個別に加入するよりも手続きがシンプルで、補償の漏れも防ぎやすくなります。
主要な民泊保険商品の比較
民泊向けの保険を提供している主要な事業者とその特徴を比較します。
日本民泊協会「MINPAKU Plus」
一般社団法人日本民泊協会が提供する民泊専用保険です。年会費10,000円の協会会員になることで加入できます。
| 補償内容 | 補償限度額 |
|---|---|
| 施設賠償責任 | 1億円 |
| 生産物賠償責任 | 1億円 |
| 受託物賠償責任 | 300万円 |
| 借家人賠償責任 | 3,000万円 |
💡 ポイント
協会会員になることで、保険以外にも民泊運営に役立つ情報やサポートを受けられるメリットがあります。
損保ジャパン「民泊専用保険」
大手損保の損保ジャパンが提供する民泊専用の保険商品です。代理店を通じて加入します。
- 施設賠償責任:最大5億円
- 建物・家財の補償あり
- 休業損害補償オプションあり
- 全国の代理店で相談可能
東京海上日動「民泊事業者向け保険」
東京海上日動が法人向けに提供している民泊保険です。複数物件を運営する事業者向けの設計になっています。
- 施設賠償責任:最大10億円
- 包括契約で複数物件をまとめて補償
- 物件の追加・削除が柔軟
- 24時間事故受付対応
民泊保険.com
オンラインで完結する民泊専門の保険サービスです。最短即日で加入でき、手続きの簡便さが特徴です。
- 月額1,500円〜のリーズナブルな価格
- 施設賠償責任、受託物賠償責任をカバー
- Webで見積もり・申し込み完結
- 1物件単位で加入可能
保険選びの5つのポイント
民泊保険を選ぶ際に確認すべき5つのポイントを解説します。
①補償範囲の確認
以下の補償が含まれているか、必ず確認しましょう。
| 補償項目 | 重要度 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 施設賠償責任 | ★★★★★ | 限度額は最低1億円以上を推奨 |
| 借家人賠償責任 | ★★★★★ | 賃貸物件の場合は必須 |
| 受託物賠償責任 | ★★★★☆ | ゲストの荷物への損害をカバー |
| 動産補償 | ★★★★☆ | 家具・家電の破損をカバー |
| 休業損害 | ★★★☆☆ | 収益が大きい物件は検討を |
②免責金額の確認
免責金額(自己負担額)が設定されている場合があります。免責金額が高いほど保険料は安くなりますが、少額の損害は自己負担となります。運営規模に応じて適切な免責金額を選びましょう。
③告知義務の確認
保険加入時には、物件の用途を正確に告知する必要があります。民泊として利用することを隠して一般住宅用の保険に加入した場合、事故発生時に保険金が支払われない可能性があります。
⚠️ 告知義務違反に注意
民泊利用を告知せずに加入した保険は、事故時に「告知義務違反」として保険金が支払われないだけでなく、契約が解除される可能性もあります。必ず正確に告知しましょう。
④複数OTA利用時の対応
Airbnb、Booking.com、Vrboなど複数のOTAを利用している場合、すべてのプラットフォーム経由の予約が補償対象となるか確認が必要です。直接予約も受け付けている場合は、それも補償対象に含まれるか確認しましょう。
⑤保険料と補償のバランス
保険料は安ければ良いというものではありません。補償内容と保険料のバランスを見て、過不足のない保険を選びましょう。目安として、年間売上の1〜3%程度を保険料に充てるのが適切とされています。
💰 保険料の目安
1物件あたりの年間保険料は、補償内容によって2万円〜10万円程度が一般的です。年間収益が100万円の物件なら、3万円程度の保険料は許容範囲といえます。
運営形態別おすすめ保険
民泊の運営形態によって、適した保険は異なります。自分の運営スタイルに合った保険を選びましょう。
賃貸物件で民泊を運営する場合
賃貸物件の場合、借家人賠償責任が必須です。また、大家さんへの告知と承諾を得た上で、民泊対応の保険に加入しましょう。
- 必須補償:借家人賠償責任、施設賠償責任
- 推奨補償:受託物賠償責任、動産補償
自己所有物件で民泊を運営する場合
自己所有の場合は、建物自体の補償も重要になります。火災保険に民泊特約を付帯するか、民泊専用の包括保険に加入しましょう。
- 必須補償:火災保険(民泊対応)、施設賠償責任
- 推奨補償:動産補償、休業損害補償
複数物件を運営する場合
複数物件を運営する事業者は、包括契約ができる保険がおすすめです。物件の追加・削除が柔軟にできる商品を選びましょう。
- 推奨保険:東京海上日動、損保ジャパンなど大手損保の法人向け商品
- ポイント:物件ごとの明細管理ができる商品を選ぶ
保険金請求の流れ
万が一事故が発生した場合に備えて、保険金請求の流れを把握しておきましょう。
事故発生時の対応
- 被害状況の記録:写真・動画で被害箇所を撮影
- 保険会社への連絡:事故発生から速やかに連絡
- 必要書類の準備:予約情報、損害明細など
- 保険金請求書の提出:保険会社の指示に従い提出
- 調査・審査:保険会社による確認
- 保険金の支払い:審査完了後に支払い
📸 記録のポイント
事故発生時は、まず被害状況を写真や動画で記録しましょう。修繕前の状態を記録しておくことが、スムーズな保険金請求につながります。また、ゲストとのやり取り(メッセージ履歴)も保存しておきましょう。
まとめ
民泊保険は、安定した運営を続けるための必要経費です。以下のポイントを押さえて、適切な保険を選びましょう。
🛡️ 民泊保険選びの5つのポイント
- 通常の火災保険では不十分:民泊対応の保険に加入する
- Airbnbの補償だけに頼らない:複数OTA利用時は特に注意
- 施設賠償責任は必須:限度額1億円以上を推奨
- 運営形態に合った保険を選ぶ:賃貸・自己所有・複数物件で異なる
- 保険料は必要経費と考える:年間売上の1〜3%が目安
保険料をケチったために、1回の事故で数百万円の損害を被るケースもあります。「備えあれば憂いなし」という言葉の通り、適切な保険に加入して安心して民泊運営を続けましょう。
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