民泊の収益を最大化するためには、適切な価格設定が不可欠です。高すぎれば予約が入らず、安すぎれば利益が出ません。需要と供給を見極め、最適な価格を設定する方法を本記事で解説します。ダイナミックプライシングの考え方から、具体的な設定テクニックまで網羅します。
価格設定が収益に与える影響
価格設定は、稼働率と単価のバランスを取る「経営判断」です。最適な価格設定ができれば、同じ物件でも収益は大きく変わります。
価格設定の3つの目標
| 目標 | 考え方 | 適した状況 |
|---|---|---|
| 収益最大化 | 稼働率×単価のバランス | 通常運営時 |
| 稼働率優先 | 低価格で予約を埋める | 新規物件、閑散期 |
| 単価優先 | 高価格で利益率を上げる | 繁忙期、人気物件 |
💰 価格設定で収益が変わる例
同じ物件でも、価格設定次第で年間収益に100万円以上の差が出ることも珍しくありません。例えば、1泊あたり1,000円の差が年間200泊で20万円、繁忙期の価格最適化でさらに数十万円の差が生まれます。
価格設定の基本的な考え方
価格設定の基本は「コスト」「競合」「需要」の3つの視点で考えることです。
①コストベース
まず、損益分岐点となる最低価格を把握しましょう。
| コスト項目 | 1泊あたり目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 家賃(按分) | 3,000〜10,000円 | 月額家賃÷30日 |
| 清掃費 | 3,000〜5,000円 | 1回あたり |
| 光熱費 | 500〜1,000円 | 月額÷稼働日数 |
| 消耗品 | 300〜500円 | アメニティ、トイレットペーパー等 |
| OTA手数料 | 売上の15%前後 | プラットフォームにより異なる |
| 運営代行費 | 売上の20%前後 | 利用する場合 |
📊 損益分岐点の計算例
家賃15万円、清掃費4,000円、光熱費1.5万円の物件で、月20泊を想定した場合:
(15万円 + 1.5万円)÷ 20泊 + 4,000円 = 約12,250円が最低ライン(OTA手数料別)
②競合ベース
周辺の類似物件の価格を調査し、相場を把握します。
- Airbnbで検索:同エリア、同人数、同グレードの物件
- 10件以上をリサーチ:平均、最高、最低を把握
- レビュー数と評価も確認:高評価物件は高価格でも予約が入る
③需要ベース
需要の高さに応じて価格を変動させます。
- 曜日:週末・祝日は高く、平日は低く
- 季節:繁忙期は高く、閑散期は低く
- イベント:近隣でイベントがあれば高く
- 予約状況:埋まってきたら値上げ、空いていたら値下げ
ダイナミックプライシングとは
ダイナミックプライシングとは、需要に応じてリアルタイムで価格を変動させる手法です。航空券やホテルでは当たり前の手法で、民泊でも効果的です。
ダイナミックプライシングのメリット
- 収益最大化:需要が高い時に取りこぼさない
- 稼働率向上:需要が低い時に価格を下げて予約を獲得
- 手間の削減:ツールを使えば自動で価格調整
ダイナミックプライシングツール
| ツール名 | 月額費用 | 特徴 |
|---|---|---|
| PriceLabs | 約$20〜/物件 | 高機能、日本対応、カスタマイズ性高い |
| Beyond Pricing | 売上の1% | シンプル、自動設定 |
| Wheelhouse | 約$20〜/物件 | データ分析が充実 |
| Airbnb Smart Pricing | 無料 | Airbnb内蔵、精度は低め |
💡 ツールを使うべきか?
1〜2物件の運営なら手動でも対応可能ですが、3物件以上になるとツールの導入をおすすめします。月額数千円の投資で、それ以上の収益アップが見込めます。
曜日・季節別の価格設定
需要の変動パターンを把握し、適切な価格設定を行いましょう。
曜日別の価格差
| 曜日 | 需要 | 価格目安(平日比) |
|---|---|---|
| 月〜木 | 低 | 基準価格(100%) |
| 金曜 | 中〜高 | 110〜120% |
| 土曜 | 高 | 130〜150% |
| 日曜 | 中 | 100〜110% |
| 祝日・祝前日 | 高 | 130〜150% |
季節別の価格設定
| 時期 | 需要 | 価格目安 |
|---|---|---|
| 繁忙期(GW、お盆、年末年始、桜・紅葉シーズン) | 最高 | 150〜200% |
| 準繁忙期(3連休、イベント時) | 高 | 130〜150% |
| 通常期 | 中 | 100〜120% |
| 閑散期(1月中旬〜2月、6月、11月) | 低 | 80〜100% |
📅 繁忙期カレンダー(例:東京)
- 1月:年始(〜3日)は繁忙、中旬以降は閑散
- 3〜4月:桜シーズンで繁忙
- 5月:GWは最繁忙
- 7〜8月:夏休みで繁忙
- 10〜11月:紅葉シーズンで繁忙
- 12月:クリスマス〜年末は繁忙
価格設定のテクニック
実践的な価格設定テクニックを紹介します。
①最低宿泊日数の活用
繁忙期には最低宿泊日数を設定することで、単価を上げつつ稼働率も確保できます。
- 繁忙期:最低2〜3泊に設定
- 週末:金土の2泊セットにする
- 閑散期:1泊から受け入れて稼働率を確保
②直前割引
空いている日程は、直前に割引することで埋めることができます。
| チェックインまで | 割引率目安 |
|---|---|
| 7日前 | 10%オフ |
| 3日前 | 15〜20%オフ |
| 当日 | 20〜30%オフ |
③長期滞在割引
長期滞在は清掃回数が減るため、割引しても利益が出やすくなります。
- 週割:10〜15%オフ
- 月割:20〜30%オフ
④人数別料金
追加人数に応じて料金を加算することで、少人数利用時の価格競争力を高められます。
💡 人数別料金の設定例
- 基本料金(2名まで):10,000円
- 3人目以降:+2,000円/人
- 最大6名:10,000円 + 8,000円 = 18,000円
新規物件の価格戦略
新規物件はレビューがないため、価格戦略が特に重要です。
立ち上げ期(0〜10件のレビュー獲得まで)
- 相場より20〜30%安く設定:まずは予約を獲得
- 即時予約をON:予約のハードルを下げる
- キャンセルポリシーは柔軟に:ゲストの不安を軽減
成長期(10〜50件のレビュー)
- 徐々に価格を上げる:レビューが増えるごとに5%ずつ
- 競合と同等レベルへ:相場に近づける
安定期(50件以上のレビュー)
- 相場より高めでも予約が入る:高評価がブランド力に
- 繁忙期は強気の価格設定:需要に見合った価格に
⚠️ 安売りしすぎに注意
新規物件で安売りしすぎると、「安いから選ぶ」ゲストが集まりやすくなります。極端な低価格は避け、適度な割引に留めましょう。
価格の見直しタイミング
価格設定は「一度決めたら終わり」ではありません。定期的に見直しましょう。
見直すべきタイミング
- 月1回の定期見直し:翌月〜2ヶ月先の価格を調整
- 予約状況に応じて:埋まりすぎ→値上げ、空きすぎ→値下げ
- 競合の価格変動時:周辺物件の価格をウォッチ
- レビュー数・評価が上がった時:価格を上げるチャンス
- インテリア改善後:グレードアップしたら価格も見直し
KPIで判断する
| 指標 | 目安 | 対応 |
|---|---|---|
| 稼働率 | 70%以上 | 価格を上げる余地あり |
| 稼働率 | 50%以下 | 価格を下げる or リスティング改善 |
| 予約リードタイム | 2週間以内 | 価格が適正 |
| 予約リードタイム | 1ヶ月以上先ばかり | 価格が安すぎる可能性 |
清掃費の設定
清掃費は宿泊料金とは別に設定できます。適切な設定が収益に影響します。
清掃費の考え方
- 実費を回収:清掃業者への支払い + 消耗品代
- 1泊の見かけ価格を下げる:検索結果で有利に
- 長期滞在で割安感を出す:連泊で清掃費を薄められる
清掃費の相場
| 物件タイプ | 清掃費目安 |
|---|---|
| ワンルーム | 3,000〜5,000円 |
| 1LDK〜2LDK | 5,000〜8,000円 |
| 3LDK以上 | 8,000〜15,000円 |
| 一棟貸し | 10,000〜20,000円 |
まとめ
価格設定は民泊経営の要です。需要を見極め、適切な価格を設定することで、収益を最大化しましょう。
💹 価格設定のポイント
- コスト・競合・需要の3視点で価格を決定
- ダイナミックプライシングで需要に応じた価格変動
- 曜日・季節で価格差をつける
- 新規物件は安めからスタート、レビュー獲得後に値上げ
- 月1回は見直し、KPIで判断
最初は難しく感じるかもしれませんが、データを見ながら調整を繰り返すことで、最適な価格が見えてきます。本記事を参考に、収益最大化を目指してください。
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