「民泊を始めたいけど、法律がよくわからない…」「届出って難しそう…」「180日ルールって何?」
民泊を合法的に運営するためには、民泊新法(住宅宿泊事業法)の理解が必須です。届出をせずに運営すると、6ヶ月以下の懲役または100万円以下の罰金という重い罰則があります。
実際に、2023年には無届け営業で逮捕された事例もあります。「知らなかった」では済まされません。
この記事では、民泊新法の基本から届出方法、180日ルールの詳細、自治体ごとの規制まで徹底解説します。これを読めば、民泊に関する法律の全体像が理解できます。
民泊新法とは
民泊新法(住宅宿泊事業法)は、2018年6月15日に施行された法律です。この法律により、届出を行えば誰でも合法的に民泊を運営できるようになりました。
民泊新法の目的
民泊新法が制定された背景には、以下の3つの目的があります。
- 宿泊施設不足の解消:増加する訪日外国人旅行者への対応
- 違法民泊の排除:ヤミ民泊の撲滅と健全な市場の形成
- 住環境の保護:住民の安全・生活環境の確保
民泊新法施行前の問題
2018年以前は、民泊を行うには旅館業法の許可が必要でしたが、取得のハードルが高く、多くの「違法民泊」が横行していました。
当時のAirbnbの掲載物件の約8割が違法という調査結果もあり、社会問題となっていました。騒音トラブルやゴミ問題など、近隣住民からの苦情も相次いでいました。
民泊新法により、届出制という簡易な手続きで合法的に民泊を始められるようになり、この問題は大幅に改善されました。現在は、届出番号がないとAirbnbなどのOTAに掲載できなくなっています。
民泊新法の適用範囲
民泊新法は、以下の条件を満たす「住宅」で民泊を行う場合に適用されます。
- 台所、浴室、トイレ、洗面設備がある
- 現に人の生活の本拠として使用されている、または使用されていた家屋
- 入居者の募集が行われている家屋
つまり、普通の住宅であれば民泊新法の対象となります。
3つの民泊許可形態の比較
日本で合法的に民泊を運営するには、以下の3つの方法があります。それぞれの特徴を理解し、自分に合った形態を選びましょう。
| 項目 | 民泊新法 | 旅館業法 | 特区民泊 |
|---|---|---|---|
| 営業日数 | 年間180日まで | 365日 | 365日 |
| 手続き | 届出(簡単) | 許可(審査あり) | 認定(審査あり) |
| 対象エリア | 全国 | 全国 | 特区のみ |
| 初期費用 | 3〜10万円 | 15〜50万円 | 5〜15万円 |
| 取得期間 | 2〜4週間 | 1〜3ヶ月 | 2〜6週間 |
| 最低宿泊日数 | なし | なし | 2泊3日以上 |
| 消防設備 | 家主居住型は緩和あり | 厳格 | 厳格 |
民泊新法の特徴
- 届出制なので、書類を提出すれば基本的に受理される
- 年間180日の営業日数制限がある
- 全国どこでも可能(ただし自治体の上乗せ規制あり)
- 初期費用が最も安い
旅館業法の特徴
- 許可制なので、審査に通る必要がある
- 365日営業可能で収益を最大化できる
- 用途地域の制限がある(住居専用地域では不可)
- 消防設備などの設備投資が必要
特区民泊の特徴
- 国家戦略特区(大阪市、大田区など)でのみ可能
- 365日営業可能
- 最低宿泊日数が2泊3日以上
- 旅館業法より手続きが簡単
どれを選ぶべき?
- 初心者・副業 → 民泊新法(手続きが簡単、リスクが低い)
- 本格的に稼ぎたい → 旅館業法(365日営業で収益最大化)
- 大阪・大田区の物件 → 特区民泊(旅館業法より手続きが簡単)
まずは民泊新法で始めて、軌道に乗ったら旅館業法への切り替えを検討するのがおすすめです。
180日ルールの詳細
民泊新法では、年間の営業日数が180日までに制限されています。これは民泊新法の最大の特徴であり、制約でもあります。
180日のカウント方法
- カウント期間:毎年4月1日〜翌年3月31日
- 1日のカウント:正午〜翌日正午を1日とカウント
- 人数に関係なく、宿泊があれば1日としてカウント
- 同じ日に複数の予約があっても1日
180日の具体例
| チェックイン | チェックアウト | カウント日数 |
|---|---|---|
| 4/1 15:00 | 4/2 10:00 | 1日 |
| 4/1 15:00 | 4/3 10:00 | 2日 |
| 4/1 15:00 | 4/4 10:00 | 3日 |
180日を超えるとどうなる?
180日を超えて営業すると、以下の処分を受ける可能性があります。
- 業務停止命令:一定期間、民泊営業ができなくなる
- 届出取消し:届出が取り消され、再度届出が必要
- 罰金:悪質な場合は100万円以下の罰金
自治体は、OTAの予約データと届出事業者からの定期報告を照合してチェックしています。「バレないだろう」という考えは危険です。
💡 KYAKUDENの対応
KYAKUDENでは、宿泊日数を自動でカウントし、上限に近づくとアラートを出す仕組みを導入しています。180日を超えてしまうリスクを防ぎます。
180日制限への対策
180日制限を回避したい場合、以下の方法があります。
- 旅館業法の許可を取得:365日営業可能に
- マンスリー賃貸との併用:民泊ができない期間はマンスリー賃貸として運用
- 複数物件の運営:物件ごとに180日なので、複数運営で収益を確保
自治体による上乗せ規制(重要!)
多くの自治体では、民泊新法の180日よりさらに厳しい「上乗せ規制」を設けています。物件を探す前に必ず確認してください。
主な自治体の上乗せ規制
| 自治体 | 上乗せ規制の内容 |
|---|---|
| 東京都新宿区 | 住居専用地域は週末のみ(金曜正午〜日曜正午) |
| 東京都渋谷区 | 住居専用地域は週末のみ |
| 東京都港区 | 文教地区は平日禁止 |
| 京都市 | 一部地域は1〜2月、3月の60日間のみ |
| 兵庫県 | 一部地域で民泊禁止 |
| 軽井沢町 | 民泊全面禁止 |
※ 規制は随時変更されます。「民泊新法 ○○区」で検索し、最新情報を確認してください
上乗せ規制の確認方法
- 物件所在地の自治体のWebサイトを確認
- 「民泊」「住宅宿泊事業」で検索
- 不明な場合は自治体の担当課に電話で確認
物件を契約する前に、必ず上乗せ規制を確認しましょう。規制が厳しいエリアでは、思ったほど収益が上がらない可能性があります。
届出の方法【実践ガイド】
ここからは、実際に届出を行う方法を解説します。
届出先
物件所在地の都道府県知事(または政令市・中核市の長)に届出を行います。
東京23区の場合は、各区に届出します。例えば、新宿区の物件なら新宿区に届出します。
届出に必要な書類
- 住宅宿泊事業届出書:所定の様式に記入
- 住宅の図面:間取り図、各階平面図
- 住宅の登記事項証明書:法務局で取得
- 入居者の承諾書:賃貸の場合、大家の承諾書
- マンション管理規約:分譲マンションの場合
- 消防法令適合通知書:消防署で取得
- 欠格事由に該当しない旨の誓約書:所定の様式
- 住民票の写し:届出者本人のもの
届出の流れ
- 必要書類の準備(1〜2週間)
- 図面の作成または入手
- 大家の承諾書を取得(賃貸の場合)
- 管理規約の確認(マンションの場合)
- 消防署で消防法令適合通知書を取得
- 消防署に事前相談
- 必要な消防設備の設置
- 検査を受けて通知書を取得
- オンラインまたは窓口で届出
- 民泊制度運営システム(オンライン)が便利
- 窓口でも届出可能
- 届出番号の発行(届出から数日〜2週間)
- OTA(Airbnb等)に届出番号を登録
- 運営開始
届出費用の目安
| 項目 | 費用 |
|---|---|
| 届出手数料 | 無料 |
| 登記事項証明書 | 600円 |
| 住民票 | 300円 |
| 消防設備(必要な場合) | 1〜5万円 |
| 行政書士に依頼する場合 | 3〜10万円 |
詳しい届出手順は「民泊の届出・許可申請の方法|必要書類から費用まで解説」をご覧ください。
家主居住型と家主不在型の違い
民泊新法では、「家主居住型」と「家主不在型」で要件が異なります。
家主居住型
- 届出者が同じ住宅に居住している
- 管理業者への委託は任意
- 消防設備の要件が緩和される場合あり
家主不在型
- 届出者が別の場所に住んでいる
- 住宅宿泊管理業者への委託が必須
- 消防設備の要件は通常通り
副業で民泊を行う場合、ほとんどが「家主不在型」になります。この場合、国土交通大臣の登録を受けた住宅宿泊管理業者に管理を委託する必要があります。
KYAKUDENは住宅宿泊管理業者の登録を受けているため、家主不在型の民泊でも安心してお任せいただけます。
罰則について
民泊新法に違反した場合、以下の罰則があります。無届け営業は厳しく取り締まられているため、絶対に避けてください。
| 違反内容 | 罰則 |
|---|---|
| 届出をせずに営業 | 6ヶ月以下の懲役または100万円以下の罰金 |
| 虚偽の届出 | 6ヶ月以下の懲役または100万円以下の罰金 |
| 180日超過 | 業務停止命令、届出取消し |
| 定期報告の未提出 | 30万円以下の罰金 |
| 標識の不掲示 | 30万円以下の罰金 |
| 宿泊者名簿の不備 | 30万円以下の罰金 |
実際の摘発事例
- 2019年:大阪市で無届け民泊を運営していた男性が逮捕
- 2020年:東京都で虚偽の届出をした事業者に業務停止命令
- 2023年:複数の無届け物件を運営していた業者に罰金刑
「バレないだろう」という考えは危険です。自治体は定期的に調査を行っており、近隣住民からの通報もあります。
まとめ
民泊新法のポイントをまとめます。
- 民泊新法は届出制で、誰でも合法的に民泊を始められる
- 年間営業日数は180日まで(自治体により上乗せ規制あり)
- 届出には消防法令適合通知書が必要
- 家主不在型は管理業者への委託が必須
- 無届け営業は6ヶ月以下の懲役または100万円以下の罰金
- 本格的に稼ぎたい場合は旅館業法を検討
法律を守って、安全に民泊を運営しましょう。まずは民泊収支シミュレーターで、180日制限での収益を確認してみてください。
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